前回のお話 ねこ好きなのに住宅事情により、ねこが飼えない青年。 彼はある日幼い頃から見守っていた町ねこが、猫又に変身した姿を目撃しました。 “これは夢なの?” 思わず猫又の後をついて行くと、見知らぬ場所にたどり着いてしまう。 とても静かな湖。 下を覗き込むと透き通った水が、広がっています。 静かすぎて、たまに魚が飛び跳ねる音しか、聞こえません。 「魚はいるんだ」 でも陸地は見えない。 どうやって元いた場所に帰るのでしょう。 「ここはどこ? 白ウサギに連れられて、アリスが辿り着いてしまった… あんな感じの異世界? ここで一生暮らすことになるの? 猫又はどこ? 夢ならいつ覚めるの?」 どこかで夢だと思っているので、パニックにはなりきれませんが、不安がシミのように広がっていく感覚はあります。 「のど…渇いたなぁ」 キャットタワーを登ってきたせいか、不安を感じる一方で、のどの渇きも感じます。 「水