AIに欠かせない数学を、プログラミング言語Pythonを使って高校生の学習範囲から学び直す本連載『「AI」エンジニアになるための「基礎数学」再入門』。前回は「確率・確率分布」について学びました。今回のテーマである「ベイズの定理」は、そのもう少し高度な内容といえます。ぜひ、前回記事も併せてお読みください。 ベイズってどんな人? トーマス・ベイズ(Thomas Bayes)は1702~1761年に実在したイギリスの人物です。彼の肩書は異色で、牧師でありながら数学者でもあります。そんな彼は「神の存在を方程式で説明できる」と主張したそうです。ベイズは牧師として活動する傍ら研究を重ね、後に解説する「ベイズの定理」を含む「ベイズ理論」を考案したという偉業を成しています。 ところが、その偉業はベイズの死後である1764年にRプライス(生命保険の創始者の一人)によって発見されました。その後、偉大な物理学者