「婦人保護施設だけでなく、乳児院とか児童養護施設とも関係を持っていますけど、未成年児童が受ける暴力で顕著に多いのが、実の父からの性暴力です。それが日本の現実です」(横田施設長) 筆者は十数年前から、貧困や性風俗の取材をしている。実の父親、義理の父親からの性虐待を受けた女性は、たまに現れる。大抵は、取材が終わる頃に「実は……」と女性たちから話しだす。親から性虐待を受けた女性は、そんな頻繁に現れるわけではないので今まで20人くらいか。それと実の母親から性虐待を受けた男性を1人知っているが、彼は先日自殺したと聞いた。 表ざたになりにくい児童への性虐待 児童への性虐待は国際的に重罪で、残酷な行為だが、家庭内で行われるために表ざたになりにくい。あと性虐待を受けている子どもが被害を自覚するのは大人になってからだったりする。児童相談所での相談件数は、実数と比べると著しく少なく、1540件にとどまっている