タグ

ブックマーク / d.hatena.ne.jp/semi_colon (20)

  • 「アトピー慢性化の原因たんぱく質を発見」という報道の論文を読んでみました - 蝉コロン

    科学アトピー性皮膚炎慢性化 原因を解明 NHKニュース個人的な事情でこういう脳天気な見出しには反射的に怒りを覚えるのですが論文は面白かったです。とは言っても基的にはまだマウス実験なので、臨床的にはこれからですケド。 論文:Periostin promotes chronic allergic inflammation in response to Th2 cytokines Miho Masuoka, Hiroshi Shiraishi, Shoichiro Ohta, Shoichi Suzuki, Kazuhiko Arima, Shigehisa Aoki, Shuji Toda, Naoki Inagaki, Yuichi Kurihara, Sayaka Hayashida, Satoshi Takeuchi, Kenta Koike, Junya Ono, Hirokazu

    miwa84
    miwa84 2012/06/24
  • フランスの歌うおちんちん - 蝉コロン

    動物BBC Nature - 'Singing penis' sets noise record for water insect。BBCがそう書くのだから、このタイトルにせざるを得ない。論文はPLoS ONE: So Small, So Loud: Extremely High Sound Pressure Level from a Pygmy Aquatic Insect (Corixidae, Micronectinae)です。わぁい。 water boatman Micronecta scholtziのお話です。water boatmanってかっこいいな。でも日語だとミズムシだって。かわいそう。Wired日語記事*1はミズスマシって書いてあるけど、Corixidaeはミズムシ科でMicronectaはチビミズムシ属だそうなので、ここではミズムシでいきます*2。ミジュミジュマー!

    miwa84
    miwa84 2012/04/23
  • ウイルスだけを殺すボルバキアかよ! - 蝉コロン

    科学, 動物, ウイルス蚊に細菌注射、デング熱ウイルスを封じ込め : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)熱帯地方に多いデング熱を媒介する蚊の体内に、病原ウイルスの活動を抑える共生細菌を感染させることで病気拡大を防ぐ予防法を豪クイーンズランド大などの研究チームが開発した。(中略)研究チームは、蚊やハエの体内に生息する共生細菌「ボルバキア」に着目。デングウイルスの働きを抑えるショウジョウバエのボルバキアを、デング熱を媒介するネッタイシマカに注射し、感染が確認された約30万匹を、今年1〜3月、豪クイーンズランド州の野外に放った。約2週間後に細菌を持つ蚊の割合を調べると、15%以上が細菌感染の蚊で、3か月後には90%以上に増えていた。"デングウイルスの働きを抑えるショウジョウバエのボルバキア"とはなんじゃろなと思って調べてみた。 ボルバキアについては当ブログでも紹介しているので過去

    miwa84
    miwa84 2012/04/23
  • 3万年前のDNAから抗生物質耐性遺伝子が見つかる - 蝉コロン

    科学, ゲノムSuperbugs Predate Wonder Drugs - ScienceNOW細菌「持ってたわー。その抗生物質への耐性3万年前から持ってたわー」面白いかと思ったセリフ改変が書いてみるとやたら説明的でがっかりした。ええと、言うまでもなく抗生物質は細菌感染の治療に多大な貢献をしているわけですが、一方で耐性菌の出現も問題になっております。今回の論文はそういう薬剤耐性菌が三万年前にすでにそこら辺にいた可能性を示しています。 http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature10388.html "Antibiotic resistance is ancient" Nature, Published online 31 August 2011僕的には最近お気に入り*1のメタゲノム解析。カナダのユーコン準州

    miwa84
    miwa84 2012/04/23
  • 緑膿菌のシステムを使って緑膿菌を殺す - 蝉コロン

    科学クオラムとバクテリオシンです。モジャモジャ頭の人とおしんを連想しますが違います。 クオラム「議決に必要な定数」とかいう意味。昆虫のフェロモンのように細菌同士も化学物質でなんらかの情報を伝達していて、仲間が一定の密度以上になったなと感じ取ることができる奴らがいます。これをクオラムセンシングという。オートインデューサーと呼ばれる化学物質を放出している。細菌が低密度のときはすぐに拡散され薄まるが、高密度のときは各細菌内で十分に働ける濃度になる。緑膿菌の場合では3OC12HSLというのがオートインデューサーで、細胞内のlasRタンパク質とくっついて「高密度の時に働くべき遺伝子群」のプロモーターを活性化させる。例えばバイオフィルムを形成したりして、薬剤や免疫に抵抗性を持ったりする。 バクテリオシン緑膿菌の場合はピオシンというのがそれなんだけど、バクテリオシンと総称されるタンパク質がある。細菌がプ

    miwa84
    miwa84 2012/04/23
  • DNAでもRNAでもない新たな遺伝物質XNAについて - 蝉コロン

    科学遺伝、進化できる物質作製に成功 生命起源や研究に貢献 - 47NEWS(よんななニュース)進化するだなんだ言っていますが、どうなんでしょう。実際の論文はこちら。 Synthetic Genetic Polymers Capable of Heredity and Evolution さて、DNAの構造はこんな感じです。http://en.wikipedia.org/wiki/File:DNA_chemical_structure.svgデオキシリボースという五炭糖(図中オレンジ)がリン酸(図中黄色P)を介して連なっていて、AGCTの塩基が枝みたいに伸びています。二鎖の相補対が点線で結ばれてます。ちなみに図でバックボーンと書かれているように、塩基がなくても縦のリン酸結合の数珠つなぎ自体は壊れない。DNA二鎖だったらそういう塩基のない部分は歯抜けみたいになりabasic siteと呼ば

    miwa84
    miwa84 2012/04/23
  • 地球上で一番仲間はずれな生き物 - 蝉コロン

    生物多様性Zoologger: The most bizarre life story on Earth? - life - 28 April 2010 - New Scientistより。その名はSymbion pandora。 大西洋に住むヨーロッパアカザエビの口器に寄生している無脊椎動物である。有輪動物門なのだけれど、これは一門一属である。他に誰もいない。門というと例えば我々なら脊索動物門なので、これはずいぶん根っこの所で一人ぼっちと言えよう。見た目はこんな感じ。どうですかね。SEM of two feeding stages of Symbion pandora on a Nephrops norvegicus seta; individual on left is in feeding position | EOLspecies Photographer: P. Funch an

  • 南京虫の最悪な交配様式 - 蝉コロン

    生殖南京虫(トコジラミ)。戦後ってイメージで現代の日ではそんないないっしょと思いきや、トコジラミ:日潜入 刺されると強いかゆみ 宿泊施設で発生相次ぐ - 毎日jp(毎日新聞)によると、最近日でも出てきているらしくて、決して遠き日の花火ではない。対岸の火事ではない。 ところで南京虫自身にも衛生面てのは大事で、オスの体表を覆っている細菌が交尾の時にメスに伝染って死ぬ。そりゃきれい好きの人間様だってSTDの問題があるけど、南京虫はいわゆるまあなんというか普通の交尾と違ってて、メスの土手っ腹に穴を開けて精子を送り込むのだ。そんで精子が血流を介して卵巣に泳いでいって授精(血管から卵へダイレクトに行けるもんなのかはよく知らない。drill into the reproductive tractとあるけどドリル?)。なんか楽しくなさそうな上にいかにも病気が感染しそう。bacteria-covere

  • モルモットはげっ歯類で無いかもしれない - 蝉コロン

    動物という話を10年くらい前に聞いたのだけれども、あれはどういう事だったのかな、今ではどうなってるのかなと思い調べてみました。げっ歯類。ちゃんと言うとげっ歯目/ネズミ目なのかな。歯が出ている奴らです。モルモットは一応歯が出ていますが、仲間でないかもしれないとはいったいどういうことなのでしょう。 ネズミ目はネズミ亜目、リス亜目、ヤマアラシ亜目に分かれる。マウス、ラット、ハムスター、そしてビーバーなんかはネズミ亜目。リス亜目はリス。ヤマアラシ亜目はモルモット、カピバラ、ハダカデバネズミなんかがいる。 「門歯が伸び続ける」がこの目の定義ということになるのかな。ウサギがかつて門歯が伸び続けることからネズミ目の仲間だったのだけれども、その後に別の身体的特徴からウサギ目へと独立したそうだ。そして同じようにモルモットもネズミ目からの独立を叫んだのだけれども、それは1991年に出た"Is the guin

  • 恋する赤の女王 - 蝉コロン

    科学ちょっとタイトルの表現が婉曲的すぎた。病原体と宿主との終わらない進化の軍拡競争は、赤の女王仮説として知られているのだけれども、それにはやっぱりセックスが大事だよということを実験的に示した仕事。赤の女王仮説実験は昨年にも報告があって (http://www.nature.com/nature/journal/v464/n7286/full/nature08798.html)、細菌とそれに感染するファージで何かやってた。今回のはもちょっと高等な生き物で、共進化に有性生殖の意義をからめています。 走り続けなければ生き残れないwikipedia:赤の女王仮説「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない(It takes all the running you can do, to keep

  • ダチョウの大事なところがオッキする仕組みが明らかになる - 蝉コロン

    動物ご想像どおりのあの話なので引き返すなら今のうちです。それにしても各紙報じ過ぎだな。 Mystery of the male ostrich’s erection solved - life - 14 December 2011 - New Scientist BBC Nature - Bloodless erections for big birds, say researchers Ostrich Penis Clears Up Evolutionary Mystery: Scientific American Ostrich penis clears up evolutionary mystery : Nature News & Comment LとRで大違いとして名高いerection。当選ではありません。 論文:The erection mechanism of the rat

  • サルのキメラが作られる - 蝉コロン

    科学Cell - Generation of Chimeric Rhesus Monkeys Cell論文。アメリカのチームだけど1stは日人だ。 アカゲザルで凝集キメラ。受精卵から2回分裂した4細胞期の細胞をバラして混ぜる方法です。結果、三匹のキメラサルが生まれました。その名はRokuとHex。日語とギリシャ語の6。キメラ1匹に6つの胚を使っているからですね。そしてChimero。キメ郎? キメラについて細胞の多能性(巷で万能細胞とか言われているやつの"万能")というのを考えた場合、まず受精卵は発生すると一個体になれるので多能性を持っています(特にこの場合は全能性という)。発生が進んで二分裂した細胞の場合はどうでしょう。一卵性双生児の例があるように、それぞれの細胞が受精卵のときと同じように発生します。4細胞期でもそれぞれが独立して発生できたと思います。8ではもう一個ずつとしては発生で

  • イヌみたいな性格のサバンナキャット - 蝉コロン

    動物イエネコとサーバルキャットの交雑種サバンナキャットです。写真はSavannah (cat) - Wikipedia, the free encyclopediaよりpublic domain。かっちょええ。 の血統を司る世界最大の団体TICAにも登録されているので、もうこういう品種の「」として考えていいのかな。Savannah (cat) - Wikipedia, the free encyclopediaによると、普通のより社交性があって、犬並みに忠実らしい。首輪に紐付けて散歩したり取って来いを覚えたりする。ホントかね?サーバルは高くジャンプすることで知られているけれど、その能力も受け継いでいるようだ。 でけえ。メスのサバンナキャットで背の高いとしてギネス認定だって。これ普通にサーバルキャットなんじゃないの?性格がおとなしくなっただけで。掛け合わせるイエネコにもよるだろうけれ

    miwa84
    miwa84 2011/12/29
  • がんの原因ランキングUK2010 - 蝉コロン

    医療英国の2010年のデータから、がんの約40%が生活習慣や環境因子を原因としているという論文、というか雑誌の増刊なのかなこれは。 The Fraction of Cancer Attributable to Lifestyle and Environmental Factors in the UK in 2010 オープンアクセスでクリエイティブコモンズ準拠です。 14の生活習慣、環境因子、事に着目して、それぞれのがんの原因となる割合を概算した疫学的研究(systematic reviews and meta-analyses)。がん患者さんを並べて「この人はタバコが原因!こっちはウイルス!」って判定していったわけじゃあないです。そういうんはできませんから。 16. The fraction of cancer attributable to lifestyle and environ

    miwa84
    miwa84 2011/12/20
  • 大事なところがもげる変ないきもの - 蝉コロン

    動物図書館で借りてきたに「バロロ」って書いてあったので、「バーローwww」と合わせてエントリにしようとして調べてたら当の名前は「パロロ palolo」だった。とんだ誤解だった。 パロロというゴカイの話。30cmくらいの長さで、水中だとスパゲッティのように見えるという。南太平洋サモアに生息している。こちら写真いろいろ:Palolo worm, Palola siciliensis, Pictures Photos Images Searches | SeaPics.com これもpalolo wormって書いてあるけどサモアじゃないので違う種類かも。 こんな姿。パロロは10月から11月初めにかけての間に一日だけ産卵の時期がある。このとき体の後ろ側のepitokeというやつがものすごい筋肉収縮の力で体から外れる。ついでにいっしょに消化管も失う。epitokeの中には精子とか卵が入ってる。わ

  • HIVがいなくなったわけ - 蝉コロン

    科学, ウイルスCNN.co.jp:HIV感染の独男性、幹細胞移植で「完治」の研究報告の件。 バナナにHIV予防成分 - 蝉コロンでも書いたけれど、HIV感染のメカニズムはこんな感じ。HIVは免疫を担当するT細胞(とMΦ)を標的にします。T細胞はCD4というタンパク質を細胞表面にニョッキリ出しています。HIVが細胞内にエントリーするにはCD4との結合が不可欠です。CD4発現T細胞は免疫系の司令塔みたいなもんなのだけれど、HIVはよりにもよってこの細胞を叩くようにできている。しかし実はCD4だけではウイルスの侵入には不十分で、さらにコレセプターとしてCCR5もしくはCXCR4を必要とします。はじめのほう、何か細胞側に二つの受容体があるでしょう。CD4とCCR5もしくはCD4とCXCR4がウイルス侵入のターゲット。 んで、HIV感染抵抗性のある人を調べると、CCR5遺伝子に32 bpの欠損が見

    miwa84
    miwa84 2011/03/29
  • 有性生殖の意義とそれを完全に捨てた生き物 - 蝉コロン

    動物, 科学, 生殖有性生殖はいろいろコストがかかる。オスとメスがいなければならない。ひとつの種で二種類の個体を産みだすのはいかにも大変そうだ。オスにとってお得な形質がメスにとって不利みたいなコンフリクトも起こる。それに生殖細胞は減数分裂という特殊な細胞分裂がある。ああ、高校で習った時から減数分裂苦手だったなあ。半数体になるのはいいけど、組換えとかなんとかややこしい。なんであんなシステムができたのか僕にはさっぱりわかんない。精子と卵ができたら、受精とそれに辿りつくまでの超めんどくさい過程を経なければならない。ああ、めんどくさい。人類全部は補完しなくてもいいけど、男女くらいは補完しちゃった方がいろいろ楽じゃないかしら。 有性生殖なんで高いコストを払って有性生殖なんてものを採用しているのかといえば、それは多様性のためと考えられている*1。同種内で遺伝情報をシャッフルする仕組み。例えば一組の夫婦

    miwa84
    miwa84 2010/12/16
  • ペラッペラの生き物 - 蝉コロン

    動物flatwormだって。ヒラムシ?ふぐ刺しかと言うくらい薄い。ペラッペラ。キモイ。 泳ぎだした!! お、これは美し..やっぱキモい。どことなくウミウシを思わせる。でも、ランゲルハンス島の海 : Lesson12 ウミウシとヒラムシの違いが詳しいけれど、全然違う生き物。ウミウシは貝の仲間の軟体動物で、ヒラムシは消化管も袋状な扁形動物。ヒラムシでぐぐると「ヒラムシ べる」がサジェストされるので、べるのかよ!と思ったけれど、何かのエサにするだけみたい。なーんだ。 うわー、これもキモい、ってこっちはプラナリアだった。そっかそっか親戚みたいなもんだったか。「扁形動物」も「ヒラムシ」もflatwormなのだろうか。まあいいや、ええと、扁形動物に属するのが上のヒラムシと、このプラナリア、そして寄生虫のサナダムシなのだそうだ。プラナリアだけおしゃれな名前だけど、ウズムシともいうみたいね。みんなムシ

  • セントラルドグマから外れたncRNAの新たな役割(と新たなオープンアクセスジャーナル) - 蝉コロン

    ウイルス, 科学こないだちょっと「遺伝子」なんだろねみたいな話をしたけれども、そんな、現在「遺伝子」としてカウントされてるんだかされてないんだか分からない、蛋白質を作らないノンコーディングRNA(ncRNA)にニューカマーが登場です。Unique Signatures of Long Noncoding RNA Expression in Response to Virus Infection and Altered Innate Immune Signaling ? mBio この論文では短いRNAであるmicroRNAと区別するためにncRNAのうち200nt以上のものをlncRNAと呼んでいる。 small RNAsじゃないncRNAで有名どころはXistかな。X染色体不活性化(♀はXを二つ持っててずるいから片方はおとなしくしていてもらいましょう効果)に働く因子。あとは元々なんらかの

    miwa84
    miwa84 2010/11/05
  • 植物にもヘモグロビンはある - 蝉コロン

    ぼやぼや「お前の血は何色だ!!」みたいなセリフがたまにありますが、これは気で何色かを問うているのではなくて、赤い血の通った人間なら情というものがあるだろう、情けをかけておやんなさいという主張です。相手が肉獣だったらあんまり意味がない言葉ではありますが。そしてあるいは「いや、赤いことは赤いんですが、私はマメ科植物なのでちょっと情けとかはわかりかねます」と返されてしまうかもしれません。 窒素固定と根粒細菌なんか高校生物で習ったことがあるような気がする。中学かな。窒素はタンパク質や核酸を構成しているので、我ら生物としては何とかして大気中の窒素を集めなきゃいけない。ところが窒素固定は真核生物にはできない。ニトロゲナーゼを持っている細菌頼みである*1。こういうのをジアゾ栄養生物というらしい。ズゼゾ。クロストリジウムやシアノバクテリアなんかが土の中や海でやっている。そして植物と共生している窒素固定

    miwa84
    miwa84 2010/07/14
  • 1