予約客が飲食店に来ない「無断キャンセル」が社会問題になっている。経済産業省の試算によると、被害額は年間2000億円。その被害は飲食店を苦しめ、きちんと店に来る「善意のお客」の負担も増やす。飲食店向けのITサービスを提供するトレタ代表の中村仁氏は「キャンセルのしやすいITシステムを普及させるだけでなく、無断キャンセルの深刻さを消費者に伝える必要がある」と訴える――。 「無断キャンセル」と「ドタキャン」は何が違うのか 日時を過ぎても飲食店に予約客が来ないことを「無断キャンセル」と言う。飲食店が予約客に電話をしても出ないこともある。近年では予約客が姿を見せないことから「ノーショー」とも言われるようになった。これは旅行業界やホテル業界の隠語が外食業界にも浸透したものだ。 無断キャンセルとドタキャンは混同されがちだが、飲食店にとっては全く別物だ。ドタキャンは、予約客からキャンセルの意思が示されるので