最初に断わっておくが、筆者は別に格付け会社援護派ではない(そんな派があるとしたらの話だが)。だが、ときどき格付けを取り上げる。それは、格付けが当節重要性を増す一方の「信用リスク」という要素と密接不可分であるからだ。また、そうであるにもかかわらず依然として誤解や偏見が甚だしいからでもある。 ジョセフ・E・スティグリッツは、金融はもはや「貨幣」を中心に動いているのではなく「信用」こそがカギであるとした。そして、銀行やその他の機関が信用度をどのように評価するかを理解することの重要性を説いた。この重要性は、国家の信用が揺らぐような事態が続出しているいま、いっそう高まっている。 しかし、その信用度を評価するための「雑駁だが簡単便利な道具」としての格付けの意義を理解する人は少ない。「格付け」という、いかにもとっつきやすい名前が付いているがゆえに、企業の信用リスクを評価するためのこの指標は、ミシュランガ
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