「望まない性交」は、どのような状況で起きるのか。心理学や医学の研究者らが、31人の当事者にインタビューした結果、顔見知りによる被害が大半で、半数以上は抵抗をしなかったり、できなかったりしたことが分かった。被害者は深刻な影響を受けるにもかかわらず、被害だと認識できるまで時間がかかり、早期の相談につながりにくい傾向も浮かんだ。 「性暴力の被害経験に関する研究」をしたのは、目白大専任講師の斎藤梓さんら9人。25日に東京大で報告会を開き、「同意のない性交は性暴力だという認識を広め、支援の枠も広げる必要がある」と訴えた。日本の刑法では、同意のない性交でも、「暴行・脅迫」などを伴わなければ犯罪とならないため、法改正を求める動きがある。まずは当事者から見た被害の実態を明らかにし、議論の素材にしたいという。 調査では、被害者団体やインターネットを通じて「望まない性交」の経験がある女性に協力を求め、昨年5~
不摂生や医療の拒否、部屋のごみ屋敷化などによって、自らの健康状態を脅かす、セルフ・ネグレクト(自己放任)。孤独死とも密接な関係にあるこのセルフ・ネグレクトが、近年大きな社会問題となっている。緩慢な自殺と呼ばれるセルフ・ネグレクトの最前線を追った。 「ああ、このお部屋は、セルフ・ネグレクトですね」 全国に展開している大手特殊清掃会社の特殊清掃人の女性は、部屋に入るなり、厳重な防毒マスク越しに私にそう教えてくれた。スースーという呼吸の音だけが、家主を失った部屋に響く。 築30年は下らない老朽化したアパートの、いわゆるゴミ屋敷のような6畳一間の部屋。そこで50代の男性は、脱ぎ捨てたおむつや、段ボール箱、散乱するコンビニのお菓子の空袋に埋もれるようにして亡くなっていた。 特殊清掃現場のほとんどがセルフ・ネグレクト 私が初めて取材で入った特殊清掃の現場は、このセルフ・ネグレクトの男性の部屋だった。妻
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