猫も杓子もおしなべてSNSの当世である。その席巻ぶりの凄まじさには「一億総SNS化」などという言葉も浮かんでくるが、趣味の範囲で楽しむなら問題はあるまい。しかし安易に無責任な発信をすると、以下のような、なんともトホホな事態を招いてしまうのだ。 良い話よりも醜聞のほうが広まりやすいのは人の世の常である。ところが、例のあおり運転殴打事件では、良い話でも醜聞でもなく、単なる人違いで、一人の女性が深く傷ついてしまった。 彼女は、デマ情報によって“傷害容疑で指名手配された男の車に同乗していたガラケー女”にされたのだ。 犯人蔵匿・隠避容疑で逮捕された喜本奈津子容疑者の氏名公表前の時点である。 高速道路上で暴行の様子を携帯電話で撮影する喜本にモザイクがかけられ報じられるなか、ネット上では、「ガラケー女」探しが過熱。匿名のSNSにより“こいつだ”と目された女性のインスタグラムなどが特定されると、顔も名前も