東京駅からJR常磐線の特急に乗り、のどかな田園風景を横目にしながら1時間半弱で、茨城県の県都・水戸市に着く。東京から直線距離で約100キロメートルと、地方都市としては恵まれた立地だ。 が、駅の北口を出ると、人口290万人を抱える県の中心地にしては、物寂しい空気が漂う。車の往来は多い半面、駅前のペデストリアンデッキや、大通りを歩く人の数はまばら。駅から見渡せる範囲でも、空きビルや空き店舗が目に付く。 秋田市・新潟市と並んで地価が下落 7月に国税庁が発表した今年の路線価は、全国の平均値が前年比0.4%増と2年連続で上昇した。バブル期のピークを超えた東京・銀座を筆頭に、全国の47都道府県庁所在都市の最高価格地点も、多くが前年比で上昇もしくは横ばいとなった。 しかしその中で、前年より地価が下落した県庁所在地が全国で3市ある。秋田市、新潟市、そして水戸市だ。 水戸市は東京からのアクセスや気候条件に恵