かつて私は職場で、「無能は自己責任」という発言をよく聞いた。 例えば、下のような発言もオブラートに包まれてはいるが、「無能は自己責任」と同じ意味である。 「成長は本人の努力次第」 「結局はやる気でしょ」 「才能ないやつはなにやってもダメ」 上の発言は、率直に言えばほぼ正しい。(と思う時も多い) 正しいが、だからこそ「自己責任でしょ」という言葉を安易に使ってはいけない。 なぜか。 それの理由は仲の良かった、ある経営者とのやり取りにある。 仕事の合間に、共に昼食を食べに行った時、彼は何気なく言った。 「どうも、うちのマネジャーたちが、部下の育成を軽んじているようにみえるんだよね。」 「そうですか?たしかにドライな人が多い気はしますが……なぜそう思われたのですか?」 「最近、すぐに「自己責任」と発言する社員が目立つから……かな。」 「自己責任……?」 「そう。「自己責任」という言葉はね、安易につ