本書は、あきれるほどおバカな本だ。なぜなら「バカとは何か」という問いを、ノーベル賞受賞者(ダニエル・カーネマン)ら世界最高峰の頭脳達にぶつけた、インタビュー集だからだ。 世界の英知を結集して、エベレスト級のバカを定義するという、あまりにもリソースを無駄遣いした本といっても過言ではない。とてもフランスっぽいエスプリのきいたバカである。 各人ごとに異なるバカの定義を、あえて総括すると……バカとは自信たっぷりで、自らの過ちを疑わず、意見を翻さず、周囲を巻き込み、ひどく迷惑をかける存在であり、知性やIQとは関わらず発生するモノらしい。 SNSにおけるバカ本書はバカを多面的に観察したバカの万博であるが、特に面白かった(noteの設計に役立ちそうだった)のは、フランソワ・ジョストによる「SNSにおけるバカ」の章。 ジョストによれば、SNSはバカの生産マシーンとして、3つの特徴を持つ。 ・人間の生活がス