stay* 友桐夏↑東京創元社さんのサイトで立ち読みできます。 「星を撃ち落とす」 友桐夏／著 東京創元社(ミステリ・フロンティア)／刊 2012.06 「怖がっていないわけじゃないわ」――津上有騎 有騎は深く顎を引いて唸るように言葉を返した。実際まったく怖がっていないというわけではなかったものの、状況を過剰に悲観してはいなかった。これは長年抱き続けた夢である『世界』から得た、ささやかな収穫だった。 「ずばり恋の悩みと見た」――水瀬鮎子 「本当にみんな私のことを思ってる？」――長岡茉歩 「人を泥棒の親玉みたいに言わないでほしいわね」――葉原美雲 美雲は鮎子の肩を押して退かせると、草花の群生を踏みつけて、とんと小路に下り立った。庭園の宇宙にはひとかけらの興味もないらしく、美雲は普段から平気で花壇に立ち入って、春を待つけなげな草花を足蹴にしている。 information 「白い花の舞い散る
