『ぼく地球』と“なろう系”の決定的な違い ――『ぼく地球』の連載が始まった80年代後半、少女マンガ界では《異世界転生》というテーマはまだマニアックな扱いでした。現在は異世界転生がマンガやラノベで一大ジャンルを築いていますが、どうご覧になりますか。 日渡 異世界転生ジャンルについては、いわゆる一般的な“なろう系”と、『ぼく地球』の転生設定は、世界線が違うと思っています。 ――というと? 日渡 『ぼく地球』は前世人格と転生後の人格が異なり、別人格として設定しています。前世の木蓮と転生後の亜梨子(ありす)は別人格です。 “なろう系”の転生はおそらく、前世も転生後も同人格、というのが大半ですよね。私は選ぶ世界線がちょっと違うので、この界隈でさえもたぶん異端者なのではないかと思われます。 ――そうか、輪(りん:亜梨子の隣家に住む小学生)は特に前世人格に振り回されますね。 『ぼくの地球を守って』©日渡