スターツ出版の2021年12月期決算では売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。つまり2000年代初頭のYoshiの『Deep Love』シリーズが牽引した第一次ケータイ小説ブーム、2000年代半ばの『天使がくれたもの』『恋空』などを代表作とする第二次ケータイ 小説ブームという、社会現象と言っていい過去二度のピークを超えた。 いわゆる「TikTok売れ」と人気ケータイ小説作品のコミカライズの好調を受けてのものだが、見逃せないのは2020年8月創刊の野いちごジュニア文庫が創刊2年と経たずしてに児童文庫市場の売上トップ100位中、作品本数で3位に躍進とIR(投資家向け広報)で発表されていることだ。児童文庫は今では児童=小学生に留まらず中学1、2年まで読むものになっているとはいえ、スマホを持たない小学生にTikTokの影響はないし、この年代向けのコミカライズもない。 近年、児童文庫市場は「戦国