現存する日本最古の歴史書『古事記』が小説や漫画に取り入れられ、若い世代に浸透している。「因幡の白兎」など以前から親しまれてきた神話部分にとどまらず、天皇の事績を記した部分も自由に解釈される。くだけた文章に意訳した本も好評だ。古事記の何が作家や読者をひきつけるのか。 「天皇記までラノベ化なんて…」3巻から成る古事記は上巻に神話、中・下巻に神武天皇から推古天皇までを収録。世界のはじまりと神々の出現、国の統一と皇位継承の様子が記されている。 「天皇記までラノベ化なんて…本気なんですか?」 「はあ⁉ 天皇記バチクソ面白いからな?」 刺激的なキャッチコピーが帯に躍るのは、古事記をセリフ調の文体に意訳した小野寺優著『ラノベ古事記』の第2弾だ。 親しみやすくキャラクター化された初代・神武天皇が特別な力を持つ神剣「布都御魂(ふつのみたま)」を神から賜り、仲間を増やしながら国をまとめて「家族みたいな国にして