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ブックマーク / yamada5.hatenablog.com (9)

  • 2018年の児童文学 - 児童書読書日記(仮)

    若おかみは小学生! 映画ノベライズ (講談社青い鳥文庫) 作者: 令丈ヒロ子,吉田玲子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/08/09メディア: 新書この商品を含むブログ (11件) を見る2018年の児童文学界最大の話題は、複数の映画賞を受賞し高い評価を受けた劇場アニメ『若おかみは小学生!』の大ヒットでした。そのノベライズ版を原作者の令丈ヒロ子自身が書いたというのも、興味深い実験でした。アニメーションに翻訳された小説がさらに小説に再翻訳されたことで、21世紀の青い鳥文庫を代表するこの偉大なシリーズの持っていた可能性がさらに掘り下げられることになりました。五年霊組こわいもの係(13) 四十六の想い、天を翔ける。 (角川つばさ文庫) 作者: 床丸迷人,浜弓場双出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/03/15メディア: 新書この商品を含むブログを見るアニメは視覚を主体

    2018年の児童文学 - 児童書読書日記(仮)
  • 至高の百合児童文学作家・令丈ヒロ子を見よ - 児童書読書日記(仮)

    SFマガジン 2019年 02 月号 出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/25メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る2018年の児童文学界の最大の事件は、劇場版『若おかみは小学生!』の大ヒットなどによって令丈ヒロ子が百合界に「発見」されたことでした。劇場版及びTVアニメ版の『若おかみは小学生!』は世界唯一の百合専門誌で3回も取り上げられ、「百合と異界は児童小説の伝統」をはじめとする令丈ヒロ子のtwitter上での発言も話題になり、年末刊行のS-Fマガジン百合特集号に令丈ヒロ子がエッセイを寄稿するというかたちでオチがつきました。 これは絶好の布教の機会なので、令丈百合児童文学の数々を紹介しようと思います。好きって、こわい? 作者: 越水利江子,小林深雪,藤木稟,宮下恵茉,令丈ヒロ子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/20メディア: 単行 クリック: 3

    至高の百合児童文学作家・令丈ヒロ子を見よ - 児童書読書日記(仮)
  • どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(後編)― - 児童書読書日記(仮)

    前編 中編 どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(後編) メニメニハート 作者: 令丈ヒロ子,結布出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/03/28メディア: 単行購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (10件) を見る前編のはじめに紹介した『ぼくのプリンときみのチョコ』と同じく、入れ替わりテーマのSF。心が部分的に徐々に入れ替わっていくというこれまた思い切った設定で、心と身体という難しいテーマに果敢に挑みました。 児童文学で入れ替わりテーマといえば、大林宣彦監督『転校生』の原作であることでも有名な山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』です。『メニメニハート』の作者の令丈ヒロ子は山中恒の弟子なので、彼女が入れ替わりテーマに挑戦したことは入れ替わりテーマのSF児童文学という非常に狭い世界では大事件でした。「希望」という名の船

    どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(後編)― - 児童書読書日記(仮)
  • どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(中編)― - 児童書読書日記(仮)

    前編 どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(中編) 科学探偵部ビーカーズ!―出動!忍者の抜け穴と爆弾事件 (ポプラポケット文庫) 作者: 夏緑,イケダケイスケ出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2009/01/01メディア: 単行購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る(091-2)初音ミクポケット 歌に形はないけれど (ポプラポケット文庫) 作者: 濱野京子,doriko,nezuki出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2014/02/07メディア: 単行この商品を含むブログ (2件) を見るはじめに、「ズッコケ三人組」シリーズや「かいけつゾロリ」シリーズなどが有名な、娯楽系児童文学に強いポプラ社のジュブナイルSFを紹介します。 ポプラポケット文庫の「科学探偵部ビーカーズ!」は、東京都才円巣区立野辺流小学校の科

    どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(中編)― - 児童書読書日記(仮)
  • どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(前編)― - 児童書読書日記(仮)

    はじめに 『S-Fマガジン』2014年6月号で、三村美衣の監修による「ジュヴナイルSF再評価」という特集が組まれました。ところがこの特集、ジュヴナイルSFテイストのあるライトノベルの話ばかりで、肝心の児童書として出版されているSFが脇に追いやられてしまっており、物足りないものになっていました。 三村美衣による通史解説は、かつてジュヴナイルSFの黄金時代があっていまは廃れてしまったが、実はアニメやライトノベルにその魂は継承されているという物語になっています。そのため、いまも優れたジュヴナイルSFが多数出ているという事実がないことのようにされています。アニメやライトノベルについては、具体的な作品名を挙げて論評しているのに、21世紀以降に児童書として出版されたSFについては、レーベル名を列挙するだけで作品や作家に対する具体的な論評はありません*1。これでは、児童文学の事情を知らない読者が、21世

    どっこいジュヴナイルSFは生きていた―21世紀ジュヴナイルSF必読ガイド30選(前編)― - 児童書読書日記(仮)
  • 2013年の児童文学 - 児童書読書日記(仮)

    マルセロ・イン・ザ・リアルワールド (STAMP BOOKS) 作者: フランシスコ・X.ストーク,千葉茂樹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/03/23メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (13件) を見るわたしは倒れて血を流す (STAMP BOOKS) 作者: イェニー・ヤーゲルフェルト,ヘレンハルメ美穂出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/05/31メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る今年は翻訳YAが大豊作でした。リアリズム路線では、岩波書店創業100年企画の海外YA叢書「STAMP BOOKS」。現代を生きる若者のアイデンティティのあり方を問うた『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』や『わたしは倒れて血を流す』など、どれも年間ベスト級の傑作ばかりでした。人という怪物 上 (混沌の叫び3) (混沌の叫び

    2013年の児童文学 - 児童書読書日記(仮)
  • ゼロ年代の児童文学を振り返る その2 ライトノベル化 - 児童書読書日記(仮)

    はじめに ゼロ年代の児童文学の流れのひとつであったライトノベル化について簡単にまとめたいと思います。児童文学界においてライトノベル的なものは、ポプラ社系列の作品などだいぶ前から細々と存在していました。しかし、ゼロ年代中盤から現在に至る、ソフトカバーのライトノベル児童文学レーベルが10前後も乱立するようなブームが起こったのは初めてです。このブームの直接の起点は、児童書文庫を代表する老舗レーベルであるフォア文庫青い鳥文庫のライトノベル化が格的に始まった90年代後半あたりからであると理解するのが妥当であると思われます。 では、ゼロ年代にライトノベル化が加速した外部的な要因として考えられるものを挙げてみます。 「ハリ・ポタ」ブームの余波で、棚ぼた式にファンタジーが市民権を得たこと マンガ・アニメ・ゲームライトノベルなどのサブカルチャーの成熟 おそらくこのあたりの影響で、時代の波に乗ったという面

    ゼロ年代の児童文学を振り返る その2 ライトノベル化 - 児童書読書日記(仮)
  • ゼロ年代の児童文学を振り返る その1 YA化 - 児童書読書日記(仮)

    ゼロ年代児童文学のキーワードは「YA化」と「ライトノベル化」です。といってもこれはゼロ年代に始まったものではありません。90年代に方向付けられた流れがゼロ年代に定着したものと理解するべきでしょう。今回は90年代を代表する児童文学作家森絵都を中心に、90年代からゼロ年代にかけてのYA化の流れを整理したいと思います。 森絵都 森絵都は1990年の第31回講談社児童文学新人賞受賞作となった「リズム」でデビューしました。同作品は新人の第一作のみを選考対象とする椋鳩十賞も受賞。その後も94年の「宇宙のみなしご」で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞、96年の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」で路傍の石文学賞を受賞、98年の「つきのふね」で野間児童文芸賞を受賞と華々しい受賞歴を誇り、90年代児童文学界の主役として君臨しました。そして98年の「カラフル」の大ヒットが、児童文学Y

    ゼロ年代の児童文学を振り返る その1 YA化 - 児童書読書日記(仮)
  • 児童文学とライトノベルを越境する作家たち - 児童書読書日記(仮)

    このところあさのあつこや佐藤多佳子、森絵都ら、児童文学から一般文芸界へ進出した作家が脚光を浴びています。しかし垣根が崩れているのは児童文学と一般文芸だけではありません。児童文学のライトノベル化に伴い*1、児童文学とライトノベルを越境して活躍する作家も目立つようになりました。今回はそんな作家たちについて、児童書文庫のレーベルごとに簡単にまとめたいと思います。 カラフル文庫(ジャイブ) わが輩はヴィドック (カラフル文庫) 作者: あちたろう出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2004/03メディア: 単行 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見るIQ探偵ムー そして、彼女はやってきた。 (カラフル文庫) 作者: 深沢美潮,山田 J太出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2004/11メディア: 単行購入: 2人 クリック: 45回この商品を含むブログ (19件) を見るア

    児童文学とライトノベルを越境する作家たち - 児童書読書日記(仮)
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