ネット投稿小説を語る時に絶対に外せないのが「小説家になろう」だ。2004年スタートと、ネット投稿小説サイトとして老舗であるのはもちろん、書籍化を前提とした商業作品の投稿を認めないなど、ストイックなまでにプラットフォームに徹しているのもその特徴だ。なかなか外からはその考え方の根底にあるものが見えにくいこのサイトを運営するヒナプロジェクトに直接じっくりと話を聞いた。 月間15億PVを擁する「シンプル」なサイト ——「小説家になろう」設立の経緯とビジネスモデルについて教えてください。 平井:「小説家になろう」(以下「なろう」)は代表の梅崎祐輔が2004年に開設した個人サイトから始まっています。規模が大きくなったため2010年に法人化しています。 ビジネスモデルはほぼ100%広告収入で賄っている状況です。サイト内で実施するコンテストの開催費用等はいただいていますが、比率としてはごく小さいものです。