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花粉症、喘息、アレルギー、自己免疫疾患、現代に生きる我々を脅かす数々の病。これらを解決する鍵は寄生虫にあった!しかもその原因は、特定の寄生虫の「存在」が引き起こしているのではなく、「不在」によって引き起こされていたのだという。 表紙のアメリカ鉤虫のカバー写真に首根っこをつかまれ、膨大な資料に基づいた「寄生虫視点による世界史」の筆致に目を見開かされ、最後はアメリカ鉤虫を体内に取り込む著者自身の人体実験によって、ノックアウトされる。本書は、そんな濃厚で濃密なパッケージの一冊である。 「不在」の病、その存在への気付きは、著者がボリビアのアマゾン地域に住むチマネ族の元を訪れたことから始まる。今でも石器時代のようなライフスタイルを送るチマネ族の人々。彼らは様々な感染症に罹っている一方で、自己免疫疾患の有病率はニューヨークに比べて遥かに低かったのだ。 著者は、自身がアレルギー疾患と自己免疫疾患の両方を
78歳いまだまんが道を 作者: 藤子不二雄A出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/08/24メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 19回この商品を含むブログ (9件) を見る 内容紹介 藤本弘氏とのコンビでペンネーム「藤子不二雄」でデビューを果たして以来、漫画家人生六十年! その途中下車だらけの「まんが道」秘話をユーモアたっぷりに綴る。 内容(「BOOK」データベースより) 「怪物くん」「笑ゥせぇるすまん」「プロゴルファー猿」etc.漫画の創生期から現代まで疾走するAのドキュメント。山あり谷あり回り道ありの「まんが道」秘話をドーンと収録。 ああ、A先生まだまだお元気で嬉しいなあ…… 現在78歳の藤子不二雄A先生、いまも3本の連載を抱え、平日は電車で仕事場に通っておられるそうです。 手塚治虫先生が藤子不二雄にとっての「神様」だったように、僕にとっては、藤子不二雄先生が「神
2011年07月20日13:15 カテゴリ書評/画評/品評SciTech ほんと馬鹿 - 書評 - 科学的とはどういう意味か 科学的とはどういう意味か 森博嗣 編集部より献本御礼。 ここ数年、いや今世紀に入ってから、これほど「そうだそのとおり」とうなづきながら読み進んだ一冊は他にない。 なのに、どうして?いや、だからこそ! そんな馬鹿な。 語源通りの意味で。 本書「科学的とはどういう意味か」は、以下の主張を新書一冊分かけて展開したもの。 P. 186 科学は発展しすぎた、科学が環境を破壊し、人間は本当の幸せを見失っているという指摘はよく聞かれるところである。しかし、この場合の「科学」とは、そのまま「社会」や「経済」と言い換えてもほぼ同じ意味であり、単に風刺的姿勢で、警告を発している気になっているだけの物言いである。言葉は何とでもいえる。しかし、言葉では何一つ解決しない。 よくぞ言ってくださ
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「書評なんて信用できない」と思っている人も多いと思います。 本を指定されての書評を19回くらいしかやったことのない私が言うのも生意気だけど、信用できない書評が世のなかに存在しているのは事実です。 どのへんが信用できないかというと、「おなじみの評者たちが、おなじみの言葉を使って、絶賛する」パターン。こういう書評は「業界内での仕事の回し合い」であり、「ルーティンワーク書評」です。 もちろんそんなんじゃない、ちゃんとした書評を書いてる人たちだって、いるはずです。 ここ2年半ほど、告知しか書いてなかったのですが、きょうは記事を書くことにします。「書評なんて信用できない」と思っている人に読んでいただけると嬉しいです。 大手出版社の某雑誌の編集者に、よくわからない目にあった話です。 題して「13日の金曜日に仕事を請けると、碌なことがない。」 はじまりは2010年8月13日(金)20:08付の、某誌編集
2009年11月21日20:30 カテゴリ書評/画評/品評Math 折り紙の新境地 - #書評_ - ふしぎな 球体・立体折り紙 先日届いた一冊。 ふしぎな 球体・立体折り紙 三谷純 すごい。 言葉にできない。 これが、折り紙だなんて。 本書「ふしぎな 球体・立体折り紙」は、折り紙の天才、三谷純が折り上げた新境地。「切り開いた」のではない。それでは折り紙ではなくなってしまう。 そう。本書に登場する立体には、折り目はあっても切れ目はないのである。 まずは、これを見て欲しい。 これ、全部折って作っているのである。切れ目は一切ない。種も仕掛けもない。種も仕掛けもないのは、本書にきちんと展開図が出てくるのでわかる。それも単なる図というのではなく、きちんと自分で折って確認できるよう、型紙形式になっている。 それを見てもなお、信じられない思いがする。 著者が天才であることを確認するのに、本書は必要ない
いつのまにか1000エントリ超えてたので、ここらで100に絞ってみる。 このblogで「スゴ本」認定されたもの、企画「この○○がスゴい」で挙げられたものを、100にまとめてご紹介。順序適当、偏見なし、ビジネス、サイエンス、エロマンガ。ブンガク、ビジュアル、なんでもアリ、啓蒙、アダルト、劇薬なんでもござれ。「ノンフィクション」、「フィクション」、そして「劇薬系・成人指定」の三本立てでご紹介。番号は便宜上つけたものなので、ランキングにあらず。 こんなにスゴい本に出合えたのは、すべてあなたのおかげ。いい本はたくさんあるのだが、全部読んでるヒマもないし、探している時間も足りない。だからわたしは、スゴい本を読んでいる「あなた」を探す。あるいはこのblogにやってきた「あなた」の言を待つ。そうしたツッコミやアドバイスをいただき、とても感謝しています。 この100リスト全て鉄板モノだが、「それをスゴ本と
2009年08月09日 イギリスとアメリカ、アングロ・サクソンは、決して「一枚岩」ではない 私も含めて、大概の人は、アメリカ人と、イギリス人とを「アングロサクソン」と一くくりに考えているのではないだろうか。 きっと、その二国の関係には、近所の仲間で缶蹴りをして、遊んでいても、あたかも兄弟だけが感じ合えるような深いシグナルで連携を図るように、他の第三国が立ち入ることの出来ないようなの固い結束に裏付けられた関係なのだろう、と。 しかしながら、そんなものは、幻想なのかもしれない、ということが〜「アメリカ社会」入門 英国人ニューヨークに住む〜を読むと、よく分かる。当のイギリス人とアメリカ人に言わせれば、アメリカとイギリスの関係は、「兄弟」などというよう親密な距離感ではなく、確かに単なる友人というわけでないが、せいぜいが「従兄弟」くらいの関係だ・・ということである。 英国人のフリージャーナリストであ
2007年07月23日15:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 書評 - スーパーコンピューターを20万円で創る 買え!今すぐ! スーパーコンピューターを20万円で創る 伊藤智義 この最高のドラマを、読みのがすべからず。 本書「スーパーコンピューターを20万円で創る」は、世界で最も有名な専用並列計算機GRAPEを創った四人の物語であると同時に、著者、伊藤智義の自叙伝でもある。 まず、「GRAPE創世記」として。この四人の長であった杉本の「手作りスーパーコンピュータへの挑戦」が絶版となった今、「中の人」によるものとしては、手軽に手に入る唯一の一般書である。GRAPEの黎明期の有様は、立花隆の「電脳進化論」でもある程度伺い知ることが出来るが、立花ほどの書き手であっても、それが「外の人」によるものであることは、本書を読めばすぐにわかる。例えば戎崎と著者の確執というのは、外の人には絶対に
わたしがこの本に興味を持ったのは、下のブログを読んだからだ。 以下は、国ごとの、再分配前(就労や金融資産によって得られる所得)と再分配後(税金と社会保険料を引き、社会保障給付を足した可処分所得)での子どもの貧困率を示したものである。 (ここに 図3-4 のスキャンした画像が入っている 引用者) これらの国の中で、日本は唯一、再分配後の方が貧困率が高くなっているのだ。 『子どもの貧困』阿部彩|ほたるいかの書きつけ リンク先にとんで、グラフをよく見ていただきたい。 とにかく衝撃的だ。 そして、同じ箇所に衝撃を受けている方がここにも。 な、なんだってー!? あまりのことに、この図3-4が本当か検索してみたところ、以下のグラフを見つけた。 (ここにグラフの画像が入っている 引用者) ....まじである。他国との比較がない代わり、経年変化も載っている。日本はこれまでずっと、政府が子どもから奪ってきた
2009年01月02日01:00 カテゴリ書評/画評/品評Love 「人類最大の敵」 - 書評 - 人類は「宗教」に勝てるか 長いこと書評しそびれていたのだけど、 人類は「宗教」に勝てるか 町田宗鳳 実に苦く、そして「いい」タイミングでもあるので。 404 Blog Not Found:News - 開けたくもないし、ましてやめでたくもないけど 数多い「反」宗教本の中で、最強の一冊である。 本書「人類は「宗教」に勝てるか」は、神学者による反宗教本、いや非宗教本。 それも、ただの神学者ではない。 著者略歴 町田 宗鳳 1950年京都府に生まれる。14歳で出家し、以来20年間、京都の臨済宗大徳寺で修行。1984年に寺を離れ渡米。ハーバード大学神学部で神学修士号およびペンシルヴァニア大学東洋学部で博士号を得る。プリンストン大学東洋学部助教授、国立シンガポール大学日本研究学科准教授、東京外国語大学
2008年11月25日05:30 カテゴリ書評/画評/品評Love 四半世紀後のために、今日読んでおくべき一冊 - 書評 - 貧困のない世界を創る とてつもない。 貧困のない世界を創る Muhammad Yunus / 猪瀬弘子訳 [原著:Creating a World Without Poverty] すごい人だとは知っていたつもりだったが、すごいを通り越してとてつもない人だとしか言いようがない。よって本書はスゴ本ではなく、トテツモ本である。 本書で確信することが出来た。 貧困のない世界は、夢ではなくヴィジョンなのだと。 本書「貧困のない世界を創る」は、2006年ノーベル平和賞受賞者である著者が、小は自ら、大は人類全体の現在、過去、そして未来を語った一冊。 目次 - 貧困のない世界を創る:ハヤカワ・オンラインにないので手入力 プロローグ 始まりは握手から 第一部 ソーシャル・ビジネスの
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