ある数学愛好家が発見した帽子に似た図形に数学界が沸き立っている 英ヨークシャー在住の数学愛好家スミス(David Smith)が,とある13角形を発見した。数学者による探索を何十年もかいくぐってきた図形だ。いかつい帽子に似たその形(次ページの図で太線で描かれている図形)は,ドイツ語で「1個の石」を意味する「アインシュタイン」という名で呼ばれている。アインシュタイン・タイルを使うと浴室の床を隙間なく敷き詰めることができ,しかも同じパターンが繰り返されることが決してない。浴室の床だけでなく,どんな平面でも,それが無限に広がっていても,これが可能だ。 非周期的にしか敷き詰められないタイル 数学者は長年,敷き詰めが必ず非周期的になる「強非周期的タイル張り」を実現するタイル形状を探し求めてきた。まず見つかったのは形状が様々に異なるタイルのセットだった。1964年に発見された最初のセットは2万426種
![アインシュタイン・タイル発見〜日経サイエンス2023年11月号より](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b283e22ecd1caf616c45799c6296e0c2020625e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nikkei-science.com%2Fwp-content%2Fthemes%2Fnikkeiscience%2Fimages%2Fog.png)