格差社会が大きな論争テーマになる中で、実際に所得格差が広がっているのかについて、これまでもいくつか図録化してきた(テーマ別図録リスト「格差」参照)。ここでは、ジニ係数や上位と下位の所得差といった社会全体の格差状況ではなく、高額所得者がいかに社会の富の大きな割合を占めているかを所得シェアの面から見てみることにする。 欧米でも格差問題が関心を呼び、ピケティなど高額所得者の所得シェアのデータベースを作成する研究者が出てきている。こうしたデータベースはThe World Top Incomes Databaseサイトに集大成されており、ここには主要国の高額所得者(所得上位1%層や10%層など)の所得シェアを戦前から追ったデータが掲載されている。ここでは所得上位1%層について日本、フランス、米国、英国、カナダの推移をグラフにした。 もっと多くのOECD諸国のデータ(ただし2時点比較のみ)は図録465