「京は日本のものづくりの洗練の極みだと思う」 撮影=浜田 健太郎 スーパーコンピューター「京」世界一を主導した天才肌のエンジニア。だが目標達成が見えてきたその時、部下100人を奪われ富士通で居場所を失った。不遇を乗り越えた今、高校生へのIT教育に情熱を注いでいる。 (聞き手=浜田健太郎・編集部) 「計算力を分散させた発想は時代を先取り」 「日本でなぜ技術革新が阻害されてしまうのか、身をもって経験した」 ── 国立研究開発法人理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「京」が昨年8月、電源を遮断して、2012年9月の本格稼働から7年間で運用を終えました。井上さんは富士通側の責任者でしたが、どんな心境でしたか。 井上 一つの時代が終わったなという思いでした。京は、単体としてのコンピューターの性能向上を求められる時代の最後に登場したスパコンだったからです。その後、スマートフォンなど
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