ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (22)

  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • アーサー王の師「マーリン」はもとは詩人だった、なぜ魔術師に?

    マーリンがアーサーを見せる 好色なユーサー王が貴族のを誘惑する際に魔法で助けた見返りに、マーリンはユーサーの息子アーサーを誕生時に渡すよう王に求める。エミール・ヨハン・ラウファーが描いたこの油絵では、マーリンが馬の上でアーサーを抱いている。(FINE ART/ALBUM) 魔法の力をもち、時には長い白ひげをたくわえた賢い老人は、魔法使いの典型的な姿だ。このような神秘的な男性は、シェイクスピアの『テンペスト』から『オズの魔法使い』『指輪物語』、そして『ハリー・ポッター』シリーズまで、多くの文学作品に登場する。 しかし、なぜこういう姿が定番になったのだろうか? それは、アーサー王伝説の中心人物であり、最も魅力的な人物の一人「マーリン」のせいだ。中世文学に初めて登場して以来、マーリンは何世紀にもわたって進化し続け、ウェールズの詩人から変幻自在の魔法使いへと変貌を遂げたのだ。 森に逃げ込んだ詩人

    アーサー王の師「マーリン」はもとは詩人だった、なぜ魔術師に?
  • マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は

    紀元前490年、ペルシャに勝利したという吉報を携えてアテネに古代ギリシャの急使フィリッピデスが到着した出来事が、現代のマラソンの起源になったと伝えられている。この伝説の問題点は何か? そんな事実は存在しないことだ。(IMAGE BY SALINAS, ALBERTO VIA LOOK AND LEARN / BRIDGEMAN IMAGES) 42.195kmを走るマラソンの起源について誰かに質問したとしよう。するとおそらく、古代ギリシャの急使フィリッピデスが、ペルシャとの決戦でギリシャが勝利したことを知らせるため、マラトンの町からアテネまで約40kmを走り、その場で絶命したというエピソードを聞くことになるだろう。ギリシャは古代オリンピックに「マラソン」の競技を追加することで、フィリッピデスの働きをたたえたと伝えられている。(参考記事:「オリンピックの驚きの歴史、古代ギリシャから東京まで」

    マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は
  • 英国王の遺骨を駐車場で発見、発掘を後押しした歴史マニアの直感

    1485年に死亡したリチャード3世の遺骨は、近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたが、2012年に駐車場の下から発見された。(ILLUSTRATION VIA LEBRECHT HISTORY, BRIDGEMAN IMAGES) 2012年、英国中部の町レスターのとある駐車場から、人間の遺骨が発掘された。DNA鑑定の結果、遺骨は15世紀のイングランド国王リチャード3世のものであることが判明した。2022年には、この遺骨の発見に至るまでの過程を実話に基づいて描いた映画『The Lost King(失われた王)』が英国で公開された。 しかし、王の遺骨はなぜ何世紀もの間、このような場所で忘れられていたのだろうか。そして、どのようにして発掘されることになったのだろうか。 リチャード3世とは リチャード3世は、300年以上にわたってイングランドを支配していたプランタジネット朝最後の王だった。

    英国王の遺骨を駐車場で発見、発掘を後押しした歴史マニアの直感
  • そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか

    1927年頃、米デトロイトのフォード・モーター社の工場内で、自動車のボディの組立ラインで働く男性たち。実業家ヘンリー・フォードは、現代では当たり前になっている週5日勤務制の普及に貢献した。(PHOTOGRAPH BY POPPERFOTO, GETTY IMAGES) 週の最大労働時間を現在の40時間から32時間とする法案が、米国の議会に再提出されたのは3月上旬のこと。週4日勤務制を採用するべきかどうかは、何年もの間、米国の人々の強い関心の的となってきた。 だが、そもそもなぜ週40時間働くことを求められているのだろうか。土曜日と日曜日が聖なる休日とされている理由はなんだろうか。こうした概念が職場の常識となった経緯を紹介しよう。 なぜ週5日働くのか 何世紀もの間、米国の雇用主は週ごとの休みを設けることなく、労働者を長時間働かせていた。しかし19世紀初頭、多くの雇用主が日曜日を休みとすることを

    そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか
  • 指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係

    哺乳類の多くは5指構造だが、進化の過程で環境に応じて指の形や数を変えてきた。馬は大草原を速く走れるように5指の一部を残し、残りを退化させてひづめの形になったとされる。ほとんどの犬は前足が5指、後ろ足が4指だが、前後とも5指、4指の犬種もある。 SHHは組織の再生やがんの形成にも関係する重要なタンパク質。胎児期に指などの器官ができる際にSHHが細胞の増殖や分化、四肢の発生を促すことが知られている。 濃度勾配は一定の領域内に濃度の濃淡があることで、液体などの中で濃度が異なる部分があると「濃度勾配がある」と表現される。組織内、細胞内のSHHの濃度勾配は器官ができる上で重要な役割を果たしているとされながら、濃度勾配がどのようにできるかは分かっていなかった。 東京大学大学院医学系研究科の廣川特任研究員らの研究グループは、細胞内で物質を輸送する重要な働きをしている「分子モーター」と呼ばれ

    指が5本になる謎解明 細胞を増殖させるタンパク質の濃度が関係
  • 世界初のプログラマー、19世紀の伯爵夫人エイダ・ラブレス

    1835年、20歳のエイダ・ラブレスの肖像画。母親譲りの数学的な厳密さと父親譲りの想像力を合わせもつ女性だった。(IAN DAGNALL COMPUTING/ALAMY) 1833年夏のとある月曜の夜、17歳のエイダ・バイロンは母アナベラとともに、英国の数学者チャールズ・バベッジの家を訪ねた。その12日前に上流社会の夜会でバベッジに会ったバイロン嬢は、彼が製作しているという機械の説明に心を奪われていた。 その機械は青銅と鋼鉄でできた手回し式の装置で、何層もの歯車と、ハンマー状の金属製のアームと、番号のついた数千個の円盤を使い、自動的に数式を解くことができた。バベッジが「階差機関(Difference Engine)」と呼ぶこの機械は未完成で、高さ80cmほどの小さな試作機しかできていなかったが、ガラガラと音を立てて回転し、難しい数式の答えをはじき出した。 バベッジは、階差機関が完成すれば、

    世界初のプログラマー、19世紀の伯爵夫人エイダ・ラブレス
    mkimakima
    mkimakima 2022/04/08
  • 南極探検船エンデュアランス号をついに発見、水深3千mの海底で、沈没から107年

    1915年秋、アーネスト・シャクルトンが率いる南極探検隊の船「エンデュアランス号」が南極沖で沈没した。氷の上に取り残された28人の乗組員が、絶望的な困難を越えて生還するまでの顛末は、歴史上最も劇的な物語の一つとして知られている。だが、船が眠る場所は、この物語が残したミステリーとして語り継がれることになった。 そして今、謎は解けた。エンデュアランス号を捜索していた研究チームが、南極大陸に接するウェッデル海の海底で沈没船を発見したのだ。 アイルランドの探検家アーネスト・ヘンリー・シャクルトンの全長44mの船「エンデュアランス号」は、南極沖のウェッデル海で氷に破壊されて沈没し、100年以上にわたり行方不明になっていた。2022年、この船は水深3000mの海底で、驚くほど良好な状態で発見された。(THE FALKLANDS MARITIME HERITAGE TRUST, NATIONAL GEO

    南極探検船エンデュアランス号をついに発見、水深3千mの海底で、沈没から107年
  • 100人が怪死、18世紀フランスを恐怖に陥れた謎の「獣」

    18世紀の版画。1765年、王室の猟師フランソワ・アントワーヌが、人々を襲った「獣」と思われるオオカミを殺しているところ。2カ月後、獣は再び襲撃を開始し、フランスを恐怖に陥れた。(AKG/ALBUM) 1764年のある日、フランス中南部ジェヴォーダン地方の森で、少女の遺体が発見された。被害者は14歳の羊飼いジャンヌ・ブーレで、オオカミに襲われたと思われる深い傷跡が残されていた。 当時、こうした死は珍しいものではなかった。子どもが一人で羊や牛の世話をすることは多く、オオカミの危険は付き物だった。 ところがその後、ブーレのような遺体が次々に見つかる。大きな傷を負っていたり、手足がバラバラになっていたり、さらには首を切断されたりと、襲った動物が何であれ、それは通常のオオカミよりもはるかに凶暴だった。オオカミ男の仕業だとの噂がささやかれる中、犯人は「獣(la bête)」と呼ばれるようになった。

    100人が怪死、18世紀フランスを恐怖に陥れた謎の「獣」
  • 古代エジプト、王たちが交わした382枚の「アマルナ文書」とは

    王の言葉を書き取る書記官たちのレリーフ。紀元前1400年のもの。エジプトのファラオ、ホルエムヘブの墓で発見された。イタリアのフィレンツェにある国立考古学博物館所蔵。(BRIDGEMAN/ACI) 考古学者たちは時に、古代の世界に関するこれまでの理解を完全に変えてしまうような発見に出会うことがある。エジプト学でいえば、「アマルナ文書」がまさにそんな発見と言えるだろう。382枚の粘土板に刻まれた、世界最古級の外交文書だ。 紀元前14世紀に書かれたアマルナ文書は、エジプトのファラオと、バビロニア、アッシリア、ヒッタイト、ミタンニなどライバル諸国の王、そしてエジプトの支配下にあった傀儡の王たちとの間で交わされた書簡だ。エジプト第18王朝アメンホテプ3世の治世(紀元前1390年頃~1353年頃)に始まり、その息子のアクエンアテンの治世(紀元前1353年頃~1336年頃)までの文書で、これらを分析すれ

    古代エジプト、王たちが交わした382枚の「アマルナ文書」とは
  • ハワイ王国最後の「悲劇の女王」、リリウオカラニの物語

    ハワイ最後の女王、リリウオカラニ。1895年にプランテーション所有者たちの陰謀によって退位させられてから、20年以上が経過したころの写真。補償を求めて闘い続けた結果、1911年にハワイ準州から終身年金が与えられることになった。世界中で親しまれる名曲「アロハ・オエ」の作者としても知られる。(PHOTOGRAPH VIA LIBRARY OF CONGRESS) リリウオカラニは、ホノルルの宮殿で1枚の書面を前にためらっていた。署名して退位すれば、女王としての立場を失うことになる。だが、6名の忠実な臣下は解放され、彼らが反逆罪で処刑されることはなくなる。彼らは100名に満たない仲間を集め、ハワイの女王としてのリリウオカラニの立場を守ろうとしたが、小競り合いの末に鎮圧されていたのだ。 のちにリリウオカラニは、自叙伝にこう記している。「自分だけのためならば、署名するよりも死を選んだことでしょう。し

    ハワイ王国最後の「悲劇の女王」、リリウオカラニの物語
  • 周期ゼミの大量発生、実は3種、鳴き声も違う

    2021年は、米国で周期ゼミが大量発生する年だ。17年ぶりに出現するその集団は「ブルードX(テン)」と呼ばれ、合計数兆匹が羽化すると言われる。(参考記事:「自然の驚異を楽しみたい、17年ごとに大量発生する米国の周期セミ」) 周期ゼミの中で発生する年が同じものをまとめて「ブルード」と呼ぶが、今年のブルードXには、3種のセミが属している。米国東部を中心に発生するが、場所によって、3種とも現れるところもあれば、ある種が優勢なところもある。

    周期ゼミの大量発生、実は3種、鳴き声も違う
  • マヤの首都に異なる文明の「飛び地」を発見、謎深まる

    グアテマラ北部に位置するマヤの古代都市ティカルの発掘調査により、メソアメリカの2大文明の関係について新たな知見が得られた。(PHOTOGRAPH BY SHUTTERSTOCK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 起伏に富んだ景色の中で、それは肉眼でも地図上でも単なる丘にしか見えなかった。しかし考古学者らが、LiDAR(光による検知と測距)と呼ばれるレーザースキャン技術で撮影した航空写真を拡大してみると、何世紀も土や植生の下に隠れていた人工的な構造物の形がはっきりと見えた。グアテマラ北部の低地にある古代マヤの都市国家、ティカル遺跡でのことだ。 ピラミッドだと判明したその建造物は、大きな中庭を囲むように小さな建物が並ぶ古代の居住地区の一部であることがわかった。だがこれらの建物は、それまでにティカルで発見された建物とは異なっていた。形や向きなどの特徴が、ティカルから西に約13

    マヤの首都に異なる文明の「飛び地」を発見、謎深まる
  • 9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か

    1959年2月26日、ディアトロフ峠で遭難した登山グループのテントを調べるソ連の捜索隊。テントは内側から切り開かれ、多くのメンバーがを履かずに下か裸足で外に出ていた。(PHOTOGRAPH COURTESY OF THE DYATLOV MEMORIAL FOUNDATION) 60年以上前のロシア(当時はソ連)で起きた悲惨な出来事は、秘密の軍事実験やイエティ、さらには地球外生命体との接触まで、さまざまな陰謀論を産み出してきた。しかし現時点で最も納得でき、最も理にかなっていると思われる仮説は、自動車事故の実験や映画『アナと雪の女王』で使われたアニメーションをヒントにした雪崩のシミュレーションにもとづくものだ。 スイスの2人の研究者が2021年に発表したデータは、9人の雪山登山者にむごたらしい死をもたらしたのは、不思議なほど規模の小さい遅発性の雪崩が原因だった可能性を示唆していた。雪山で

    9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か
  • 9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か

    1959年2月26日、ディアトロフ峠で遭難した登山グループのテントを調べるソ連の捜索隊。テントは内側から切り開かれ、多くのメンバーがを履かずに下か裸足で外に出ていた。(PHOTOGRAPH COURTESY OF THE DYATLOV MEMORIAL FOUNDATION) 60年以上前のロシア(当時はソ連)で起きた悲惨な出来事は、秘密の軍事実験やイエティ、さらには地球外生命体との接触まで、さまざまな陰謀論を産み出してきた。しかし現時点で最も納得でき、最も理にかなっていると思われる仮説は、自動車事故の実験や映画『アナと雪の女王』で使われたアニメーションをヒントにした雪崩のシミュレーションにもとづくものだ。 スイスの2人の研究者が2021年に発表したデータは、9人の雪山登山者にむごたらしい死をもたらしたのは、不思議なほど規模の小さい遅発性の雪崩が原因だった可能性を示唆していた。雪山で

    9人が怪死「ディアトロフ峠事件」の真相を科学的に解明か
  • マヤのピラミッドに科学のメス、謎を解明へ

    メキシコ南部にある古代マヤの遺跡チチェン・イッツァにそびえるピラミッド。エル・カスティージョと呼ばれている。(PHOTOGRAPH BY CHRIS MILLBERN) 春分の日と秋分の日の夕暮れ、エル・カスティージョ(スペイン語で「城」の意)と呼ばれるピラミッドの北側の階段に、沈む太陽がヘビのような影を投げかける。1000年以上前に古代マヤ文明によって建てられたこのピラミッドは、高さ約30メートル。メキシコのユカタン半島にあるチチェンイツァ遺跡にある。世界遺産にも登録されている人気の観光地だ。(参考記事:「マヤの最高神が祭られたピラミッド」) 遺跡は100年以上にわたって探検家や考古学者に調査されてきたが、その謎はいまだ解かれていない。土地の伝説にあるように、ピラミッドの下には地下水路が存在するのか…。また、一部の考古学者が考えているように、この建造物の中心には隠し部屋があるのか…。 そ

    マヤのピラミッドに科学のメス、謎を解明へ
  • 嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植

    ナショナル ジオグラフィックの書籍『世界をまどわせた地図』で紹介する国、島、都市、山脈、川、大陸、種族などは、どれもまったくの絵空事だ。しかし、かつては実在すると信じられていたものである。なぜだろう? それらが地図に描かれていたからだ。 神話や伝承として語り継がれていたものもあれば、探検家の間違いや誤解から生まれたものもある。なかには、名誉のため、あるいは金銭を集めるための完全な「でっち上げ」すらある。その代表例として、ここでは「ポヤイス国」の物語を紹介する。史上最悪の詐欺師グレガー・マグレガーによる嘘の国だ。 世界一の大ぼらふき、グレガー・マグレガー 1822年頃のヨーロッパは不景気の中にあり、コロンビアやチリ、ペルーなどの南米の国々はチャンスを期待する投資家たちの人気を得つつあった。それらの国の国債は利回りがよく、見逃せないもうけ話だったのだ。そんな時代に、モスキート・コースト国のジョ

    嘘の国を売った史上最悪の詐欺師、270人が死の入植
    mkimakima
    mkimakima 2017/07/24
  • アイスマンの衣類に使われた動物を特定

    南チロル考古学博物館(イタリア・ボルツァーノ)に展示されているアイスマンの復元像。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NATIONAL GEOGRAPHIC) 1991年にヨーロッパの氷河の中から5300年前の男性のミイラが発見されて以来、科学者たちは、この遺体から多くの情報を収集してきた。「アイスマン(愛称エッツィ)」は茶色の目を持ち、すきっ歯で、刺青をしていた。おそらく40年あまりの生涯を農耕や牧畜をして過ごし、アルプスで非業の死を遂げた頃には胃痛に苦しんでいたようだ。(参考記事:「「アイスマンにピロリ菌発見」が意味すること」) 25年にわたる科学研究とマスコミ報道の結果、新石器時代に生きたアイスマンは確実に「ヨーロッパ最古の有名人」になった。最近の有名人は必ず「それはどこの服?」と質問されるが、アイスマンも例外ではない。今回初めて、この問いに対する詳細な答えが明

    アイスマンの衣類に使われた動物を特定
  • 系統学で見る「赤ずきん」のルーツ

    民話「赤ずきん」は、さまざまなバージョンが世界中で語られている。最新研究では「赤ずきん」と、もう1つの似た物語「狼と七匹の子山羊」がどこで生まれ、どのように進化していったかが定量分析によって追跡された。 Map by Matthew Twombly, NG staff. Source: Tehrani, J. J. PLOS ONE 2013;8(11):E78871 これは世界中で語られてきた物語だ。「赤ずきん」が祖母の家を訪ねると、祖母をべたオオカミが、祖母の服を着て、赤ずきんのこともべようと待ち構えていた。その後の展開は、話のバージョンによって異なる。 赤ずきんはべられたのか? 通りがかった狩人がオオカミの腹を割いて赤ずきんを助け出したのか? 赤ずきんがオオカミをだまして外へ出るのか? イランの一部地域では、幼い女の子が一人で出歩いたりしないという理由から、危険な目に遭うのは男

    系統学で見る「赤ずきん」のルーツ
    mkimakima
    mkimakima 2015/09/07
  • 1世紀以上前の瓶入り手紙を発見、最古の記録か

    海流調査への協力を求める約109年前の葉書。今年4月にドイツのアムルム島に漂着した瓶に入っていた。(PHOTOGRAPH BY THE MARINE BIOLOGICAL ASSOCIATION OF THE UNITED KINGDOM) あなたが孤島に置き去りにされた場合、助けを求めるメッセージを瓶に入れて海に流しても、誰かが助けに来てくれる可能性は非常に低い。その瓶が海岸に流れ着いて誰かに発見されるのに100年以上かかるかもしれないからだ。 マリアンネ・ヴィンクラー氏は、今年、ドイツのアムルム島の浜辺で古びた瓶を見つけた。瓶の中には1900年代初頭に書かれた葉書が入っていて、英国海洋生物学協会(MBA)のジョージ・パーカー・ビダー宛に返送してくれれば、謝礼として1シリングを進呈すると書かれていた。 MBAの広報担当であるガイ・ベイカー氏は、「私たちの記憶にあるかぎり、瓶まで戻ってきた

    1世紀以上前の瓶入り手紙を発見、最古の記録か
    mkimakima
    mkimakima 2015/08/31