パワハラや物品の授受を巡る兵庫県知事の疑惑を告発した県幹部の男性が、県議会の調査特別委員会(百条委)への証人出席を前に亡くなった。改正公益通報者保護法は通報者捜しや不利益な扱いを禁じているが、県は公益通報とは別に調査を行い、男性を懲戒処分としていた。組織の不正をただす告発者が、守られる環境を実現するには。(山田雄之、西田直晃)
パワハラや物品の授受を巡る兵庫県知事の疑惑を告発した県幹部の男性が、県議会の調査特別委員会(百条委)への証人出席を前に亡くなった。改正公益通報者保護法は通報者捜しや不利益な扱いを禁じているが、県は公益通報とは別に調査を行い、男性を懲戒処分としていた。組織の不正をただす告発者が、守られる環境を実現するには。(山田雄之、西田直晃)
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会スポンサーに選定されたAOKIホールディングス(HD)側が大会組織委員会の会長を務めていた森喜朗元首相(85)に現金を渡したとみられることが1日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、現金の趣旨や提供時期について慎重に調べている。森氏のがんに対する見舞金の可能性もあるという。 森氏はAOKIHDが2018年10月にスポンサーに決まる前、組織委元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=の紹介で、AOKIHD前会長の青木拡憲容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=と面会したとされる。特捜部は高橋容疑者による紹介が、AOKIHD側への便宜供与に当たる可能性もあるとみて捜査。その場でスポンサーに関するやりとりがあったかどうか確認を進めるとともに、AOKIHD側の森氏に対する現金提供との関連も調べる。
自民、公明両党は、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を巡る与党協議で、要件緩和にかじを切った。輸出拡大によって防衛産業を支援したい自民党側の要求を、公明党が条件付きで容認した形。英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機など、殺傷能力のある武器の輸出解禁が現実味を帯び始めている。(川田篤志、市川千晴)
新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
名古屋刑務所(愛知県みよし市)で刑務官22人が受刑者3人に暴行などを繰り返していた問題で、刑務官による不適切な処遇は400件以上に上り、うち暴力を伴う行為が100件を超えることが法務省への取材でわかった。一部の刑務官は暴行が常態化していたとみられ、同省は調査を進めた上で、関係者の処分などを検討する。 同省によると、22人は昨年11月上旬〜今年8月下旬、40〜60代の男性受刑者3人に、計400件超の不適切な処遇をしていた。うち100件超は暴行で、胸ぐらをつかんだり、顔にアルコールスプレーを噴射したり、顔や手をたたいたりするなどの行為をしていた。暴行以外では、暴言を吐いたり、部屋に物を投げ入れたりするなどの行為が確認された。
東京外郭環状道路(外環道)工事を巡り、東京都調布市の職員が昨年10月に陥没事故周辺に住む市民ら13人と面談した際、市民の了解なしに録音し、文字起こしした内容を東日本高速道路など事業者側へ提供した「面談メモ」の一端が明らかになった。13人のうちの1人の50代女性が、自らの情報を請求する「自己情報開示請求」で市から文書を入手した。女性は「私のしゃべったこと全てだ」と市の対応を批判している。 女性は、2020年10月に外環道のトンネル工事ルート上で陥没事故が発生する約10カ月前にルートから約10メートル離れた新築物件に引っ越した。入手した面談メモには、自宅の建物や基礎に十数本のひびが入ったり、振動や騒音による健康被害を受けたりしたことを克明に語った内容が一字一句漏らさず記されていた。 女性は取材に「面談時の一人一人の発言をそのまま事業者側へ流されるとは思ってもみなかった。自分の人格までもにおわせ
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に催した夕食会費用補塡(ほてん)問題を告発した弁護士らは13日、安倍氏を不起訴とした東京地検特捜部の処分を不服として、「起訴相当」の議決を求めて検察審査会に審査を申し立てた。 申立書は、「安倍晋三後援会」が山口県選挙管理委員会に提出していた2017~19年分の政治資金収支報告書を20年12月に訂正した際、補塡の原資を隠すため「前年からの繰越額」を増額する形で訂正したと指摘。 安倍氏が原資について、自身の預金を下ろして事務所で保管していた資金だったと国会で答弁していたのを踏まえ「訂正内容が虚偽なのは明らかだ」とし、政治資金規正法違反(虚偽記入)に当たると主張している。
国会議員に月100万円支給される「文書通信交通滞在費」(文通費)を巡り、与野党は7日の協議会で、日割り支給への変更に合わせ、名称と目的を変更する法改正案をまとめた。4月中の法改正を目指す。文通費は議員の国会での活動を支えるための経費だが、今回の改正は議員の選挙活動などにも使われている実態を合法化する内容。識者からは、選挙などの政治活動に文通費を充てるのは目的外の支出で、横流しを正当化するものだとの批判が出ている。(井上峻輔) 文通費は現行の歳費法で「公の書類を発送し、公の性質を有する通信をなす等のため」と目的が定められている。しかし、多くの政党は使途を公表しておらず、各議員が仮に私的に使っていても分からないのが現状。関係者や一部政党の公開資料によると、議員が関連する政治団体への寄付や私設秘書の人件費に充てるなど、事実上、選挙活動に使っている例は多い。
プラモデルのパッケージに描かれるボックスアート(箱絵)の原画などを5000枚以上描いた前橋市のイラストレーター、高荷義之(たかによしゆき)さん(86)の作品展を東京で開こうと、都内の出版社が30日までクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。原画の多くは散逸していたが、同社が収集し、目標額に達すれば7月に実現したい考えだ。(池田知之)
検察側は、署名収集開始から1カ月が過ぎた昨年9月末時点で約6000筆しか集まらず、田中被告が「リコールに必要な86万筆に遠く及ばず、署名の偽造を企てた」と指摘。10月6日に雅人被告とともに東京へ行き、愛知県内に住む約80万人分の名簿データを533万円で購入したと説明した。 さらに、名古屋市の広告関連会社元社長山口彬被告(38)=同罪で起訴=から「代筆はだめですよね」と疑問を示された際、田中被告が「いちいち本人に確認しないし、みんな普通にやっている。成立しなければ署名簿も戻ってくるので、すぐに廃棄すれば、ばれない」と押し切ったと強調。佐賀市内で偽造した署名簿を雅人被告に運ばせた上、自ら指印を押し、雅人被告らにも押させたと述べた。
ウィシュマさん死亡問題 上川法相、監視カメラ映像公開で弁護士同席を「遺族以外は適当でない」と認めず【動画あり】 名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、上川陽子法相は3日、遺族が10日の監視カメラの映像を視聴する場に代理人の同席を求めている点について「遺族以外の方への映像公開は適当ではない」と、前回に続き弁護士の立ち会いを認めない方針を示した。 8月12日、出入国在留管理庁は、保存されている死亡前の監視カメラの映像336時間のうち2時間を編集し、1時間10分を遺族が視聴したが、妹のワヨミさん(28)が、視聴後に嘔吐(おうと)し、妹2人が眠れない状態が続くなど、精神的なダメージを負った。このため遺族は2回目の視聴時には、代理人の同席を強く求めている。
自民党、国民民主党、日本維新の会、社民党、れいわ新選組の5党が2019年、「政策活動費」や「組織活動費」の名目で党幹部ら30人に総額約22億円を支出していたことが、政治資金収支報告書の本紙の調査で分かった。禁止されている政治家個人への寄付を政党だけに認める制度があるためで、その先の使途は報告義務がない。1994年の政治改革で小選挙区制と同時に埋め込まれた「抜け穴」は、秋に総選挙を控えた現在も解消されていない。 政治資金収支報告書 政治団体の収入、支出、資産を記載するよう政治資金規正法で定める報告書。年間5万円超の寄付をした人や、20万円を超える政治資金パーティー券の購入者も記載する。総務相や都道府県の選挙管理委員会に提出。総務相所管の2019年分は昨年11月に公表された。
東京都の小池百合子知事は19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京パラリンピックで、児童や生徒に観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を行うことに慎重な姿勢を見せていることについて、都庁で報道陣の取材に応じた。小池氏は「尾身会長からは、オリンピックの際も、同様のご指摘もいただいていたかと思いますが、安全、安心な大会としてやり切った」と述べ、尾身氏の指摘は当たらないとの考えを示した。 東京ではこの日も新たに過去2番目となる5534人の新型コロナウイルスの感染者が確認され、感染の高止まりが続いている。尾身氏は19日の参院内閣委員会閉会中審査で、東京パラリンピックでの「学校連携観戦プログラム」の実施について「(五輪開催時と比べ)今の感染状況はかなり悪い。そういう中で考えていただければ、当然の結論になると思う」と述べ、慎重な考えを示した。 これに対し、小池氏は「尾身会
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く