受験者数の多さで知られる近畿大学(大阪府東大阪市)で1月に行われた国語入試問題が波紋を広げている。現政権に批判的な論者の著書が題材に採用され、設問でも安倍晋三首相や政権の方針が繰り返し批判的に登場する。大学側は「問題は適正」と話す一方、受験関係者からは違和感をおぼえるとの声も出ている。 2017年度の一般入試志願者数が14万6896人と過去最高を記録した近畿大。1月29日に行われた短大を含む7学部の国語の入試問題では、憲法学者の樋口陽一氏と小林節氏の対談をまとめた『「憲法改正」の真実』(集英社)が題材になった。 問題文では冒頭、小林氏が「憲法九条について議論したいと思います」と切り出す。文中では《違憲の安保法制》と言い切っているほか、《九条の曖昧さが、安倍政権による安保法制可決を許してしまった》《安倍首相の煽った脅威》といった言葉が登場。総じて憲法九条や安保法制に対する安倍政権の姿勢を