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ブックマーク / reki.hatenablog.com (16)

  • ウォッカのロシア史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    ロシアの国と人を支えてきたウォッカの今昔 ロシア人といえば、大酒飲みで特にウォッカが大好きというステレオタイプなイメージがあります。 90年代のテレビニュースに映った赤ら顔のエリツィン大統領や、ハリウッド映画で描かれる飲んだくれロシア人のイメージが強いかもしれません。 ただ、これが間違っているイメージかというと、半分くらいは合ってるのが悲しいところです。いかに健康を害しようとも、ロシア人はウォッカをこよなく愛してきました。ロシア歴史はウォッカと共にあったと言っても過言ではありません。 1. 「生命の水」ウォッカ 「ウォッカ」がロシアに伝わったのは14世紀後半と考えられていますが、それ以前からロシア人は酒好きであったようです。 キエフ・ルーシの歴史が描かれた12世紀前半の『原初年代記』には、キエフ大公ウラジミールがイスラム教徒に「ルーシは飲むことが生きがい」と言ったエピソードが掲載されてい

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  • 肥料の歴史−農業の始まりから化学肥料まで− - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    農業と切っても切れない存在・肥料 農業の歴史は肥料の歴史でもあります。 人類はより多く、より美味しく、より栄養のある物を育てるために肥料を使い、研究して新たな肥料を開発してきました。 詳しく書けばが一冊書けるくらいの膨大な歴史がある分野ですが、6000字程度に簡単にまとめていきます。 1. 肥料のはじまり 農業の起源は約1万2,000年前頃と考えられています。 農業が始まった地域は肥沃な土壌が河からもたらされる大河の流域。ナイル川中下流域、チグリス・ユーフラテス河流域、揚子江の中・下流域、インダス川下流域を中心として、農業技術はユーラシア大陸・アフリカ大陸各地に伝播していきました。 農業文明が発達すると都市が生まれ、神殿や住宅、農具の需要が増えるため、大量の木材が必要になってきます。都市は河川上流の木を大量に伐採。川を使って運搬しました。木材資源が枯渇してくると、森林が蓄えていた水分が

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  • ネクタイの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    なぜここまでネクタイは広がったのか クールビズが結構浸透してきて、特にかしこまった場ではない普通のビジネスの場ではノーネクタイでもあまり失礼でないという風潮になってきました。やっぱ皆あまりネクタイが好きじゃなかったんだなあと思います。 息苦しいし、つけるの面倒だし、ないにこしたことないんですよね当。 日人のネクタイ離れはどんどん進んでいってるわけですが、なぜここまでネクタイが広まったのか、単に「みんなやってるから」以外の理由がある気がします。見た目のかっこよさもあるし、防寒という実用的な面もあるのでは? ということで今回はネクタイの歴史です。 1. 古代の「ネクタイ」 厳密には我々が言う所のネクタイとは違いますが、「首に巻く布」のファッションは古代世界にも存在しました。 最古の「ネクタイ」は、秦の始皇帝の墓を護衛する兵馬俑に埋められた、陶器の兵士が身につけているものです。 この「ネクタ

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  • 古代の人々が夢中になった7つのボードゲーム - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    古代から人々の暇を潰してきたボードゲーム ボードゲームの人気がずっと続いてますね。 ちょっと前までは、ボードゲームといえば、伝統的な将棋や碁、麻雀、チェス以外には、オセロ、ドンジャラ、人生ゲーム、モノポリーくらしかありませんでした。 今や、海外製のユニークなボードゲームがたくさん入ってきて、子ども向けの分かりやすいものから、大人が眉間にしわ寄せて考える戦略的なものまで様々あります。 ボードゲームは古代から様々な種類があり、碁やチェス、バッグギャモンのように古代に生まれて現代まで遊ばれ続けているものもあります。 今回はあまり日では知られていない古代のボードゲームを紹介しようと思います。 1. セネト(古代エジプト) 世界最古のボードゲーム セネトは古代エジプトで人気のあったボードゲームで、その歴史は紀元前3100年ごろとも言われるエジプト第一王朝にまで遡ります。エジプトではかなり普及してい

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  • 2020年に読んでおもしろかった本10冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    歴史に残る2020年」に読んだものたち 2020年もそろそろお終いです。 今年は新型コロナの影響で 在宅時間が増えて、読書時間が増えた人も多かったのではないでしょうか。そんな私は図書館にしばらく行けなくて、ネット書店でのお取り寄せ頻度が去年比で2倍以上になりました。 図書館にあるやや古いではなく、比較的新しく出たを読む機会が増えたわけです。せっかくですので、2020年に読んだで面白かったものを10冊紹介してみます。 1. 『タイのかたち』 赤木攻 めこん  2019/10/25 ¥2,750 このは今年の1月に書評を書きました。 タイトルの通りタイ王国の歴史に関するなのですが、一般的な通史ではありません。 いかにタイという国が多民族な国家で、異なる地域の集合体であるかが強調され、それゆえ近代以降に歴史文化を「創り上げる」必要があったかが説明されています。 普通に通史を読むだけ

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  • 悪魔の造形の歴史 - 悪魔はどんな形で描かれてきたのか? - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    さまざまな姿で描写されてきた悪魔 悪魔とはキリスト教では、人間をたぶらかし、善の道に背かせ、神を裏切るように仕向ける存在であるとされます。 悪魔自体もサタン、ルシファー、アゼザル、ベゼルブブ、アスモデウスなどなど、数えきれないほどたくさんの数がいます。 悪魔を絵画に描くとき、そのビジュアルは、当時の人々が感じる醜悪で邪悪なイメージに基づいて描かれるのですが、時代によってさまざまに移り変わっています。 この記事では時代ごとの悪魔のイメージを見ていくのですが、そのどれもが悪魔のイメージを現代でも帯びているというのがスゴイところです。 1. アダムとイブをたぶらかす蛇 蛇がアダムとイブをたぶらかし、知恵の実をべさせてしまう旧約聖書の「創世記第三章」は非常に有名です。 ところがヘブライ語の原文ではアダムとイブをたぶらかしたのは蛇ではなく、「サタン」と書かれているそうです。サタンとは「敵」「障害」

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  • 歴史に残る都市大火災 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    都市の歴史の転換点となってきた大火災 都市というものが発生して以来、火事は人類の歴史にはつきものです。 大都市になると火災も大規模になったため、消化水の設置や消防団の組織、延焼を防ぐ区画など、都市は火災から命や財産を守るための機能を備えてきたのですが、それでも大火災が起こってしまい、歴史の転換点となる場合がありました。 これまで起こった歴史的な大火災を見ていきましょう。 1. ローマ大火(64年) キリスト教徒大弾圧の口実となった大火事 ローマ大火は西暦64年に起きた古代世界で最大の被害を出した都市火災です。 火はチルコ・マキシマスと呼ばれる戦車競技場の近くにある「燃えやすい品物を売っていた店」から始まり、当時ローマに吹いた南からの乾いた風によって木造の家屋に燃え広がりました。ローマの14地区のうち3地区が完全に燃え尽き、7地区もほぼ壊滅状態に。火はローマの3分の2を破壊し、何百人もの死者

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  • 【中国史】戦闘力が異常に高かった宦官列伝 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中国史にその名を遺す武闘派宦官たち 宦官と言えば、宮廷に侍り皇帝や宮家一門の生活の世話をしたり、宮廷の各種運営をするのが仕事でしたが、中には武力を買われて仕える者もいました。 生殖能力は奪われているので女性のように華奢な体というイメージが強いですが、筋骨隆々なガチムチ宦官もいたようです。 今回は非常に名の知れた武闘派宦官をピックアップいたします。 1. 張蚝(ちょう こう) 張蚝は五胡十六国の前秦に仕えた宦官・武将。若いころから身体能力に優れ、牛と綱引きして勝つほどのパワーと、どんな高い城壁も難なく乗り越えられるほどの敏捷性を兼ね備えていたそうです。なんかバキに出てくるキャラみたいです。 北魏の歴史家である崔鴻(さい こう)は、前秦の猛将・鄧羌(とう きゅう)と共に「万人の敵(万人敌)」と評しました。 張蚝はもともと弓という姓でしたが、并州の軍閥の頭目・張平に気に入られ養子となり、張姓を授

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  • 海南鶏飯の歴史-シンガポールとマレーシアの「チキン論争」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Terence シンガポールとマレーシアの争いの種「チキンライス」 日韓国、インドとパキスタン、トルコとギリシャ、イランとイラク。 これらの国々は歴史的なライバル関係にあります。 この他にもライバル関係は数多く、政治、経済、宗教、文化、言語、スポーツなど様々な点でお互いを意識し争いあってるし、直接戦争をしたケースも数多いです。 実はシンガポールとマレーシアもライバル関係にあります。その争いのテーマとして、海南鶏飯(海南チキンライス)が挙げられることもあります。 1. 海南鶏飯とは? Photo by Misaochan 世界で人気の海南鶏飯 海南鶏飯(海南チキンライス)は、鶏のスープで炊いた米の上に茹でた鶏を乗せた料理です。シンガポール人のソウルフードで、フードコートや町の飯屋で日常的にべられています。 観光客にも人気で、シンガポールを訪れたら少なくとも1回はべる

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  • 未だに捜索が続く聖書の伝説的な遺物 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    人々が未だに血眼になって探し求める遺物 キリスト教には聖遺物というものがあり、イエス・キリストや聖人など、奇跡を起こした人々の体の一部や、使った物が大変珍重されます。聖遺物はそれを保有する町を厄災から守り、繁栄をもたらすと信じられてきました。 聖遺物以上に人々が探し求める物が、聖書に記述される遺物。 聖書の時代から2000年近く経った現在ですら、霊験あらたかな遺物を探しもとめる人がいます。その執念には何か怨念のようなものすら感じます。 代表的な「未だに見つかっていない遺物」をピックアップします。 1. 契約の箱 十戒が納められた箱 旧約聖書「出エジプト記」には、神がモーセに「作らなければならない物」を具体的に指示するシーンがあります。純金の贖罪所と燭台、アカシヤ材の机と祭壇、やぎの毛糸とアカシヤ材でできた幕屋など。何の色の糸を使うかや、木材の長さ、使う油の種類までかなり細かい指示があり、神

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  • ソ連時代のマッド・サイエンティストたち - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    「進歩的国家」ソ連が生んだ狂った科学者 マルクス主義理論では、社会主義そして共産主義は人類が普遍的に向かうべき社会であり、成熟し堕落した資主義が倒されるのは必然であるとされました。 そのため社会主義国であるソ連では、アメリカやイギリスといった資主義国よりもあらゆる面で進歩的であるのが当然とされ、学術・産業・文化・芸術など科学的であることが尊ばれました。 確かにソ連時代は科学の進歩が著しく進んだ時代ではあるのですが、中には行きすぎてとんでもないマッドサイエンティストが出現しました。 1. イリヤ・イワノビッチ・イワノフ (1870 - 1932) 人間と猿の交配動物を作ろうとした男 イリヤ・イワノビッチ・イワノフはソ連(ロシア)の獣医学者で、異種間の人工授精の先駆者です。 1898年、イワノフはモスクワに動物学研究所を設立し、家畜の性器の構造や生命現象、受精時の付属性腺の分泌物などを研究

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  • イギリス式朝食の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by Joadl サマセット・モーム「英国で良いものをうなら朝を3回とるべき」 塩気たっぷりのベーコンにソーセージ、ベイクドビーンズ、目玉焼き、焼いたマッシュルームにトマト、そしてトースト。 この組み合わせは「フル・ブレックファスト」または「フライ・アップ」と呼ばれます。 アメリカのホテルのみならず、世界各国から宿泊客を受け入れるホテルでもこの朝のラインアップはポピュラーです。イギリスの文化で世界にもっとも受け入れられているべ物は「朝」であると言えそうです。 ではフル・ブレックファストはどのようにして生まれたのでしょうか。 1. 各国のフル・ブレックファスト フル・ブレックファストはイギリス圏の文化ですが、各国で乗せる具材に若干の違いがあります。 イングリッシュ・フル Photo by Joadl もっともよく知られる「イングリッシュ・フル」は、フライパンでベ

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  • マヨネーズの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Photo by jules フランスの伝統的なソースから世界中で愛される調味料へ 料理をしなくて冷蔵庫が空っぽでも、マヨネーズは常備しているという人は多いのではないでしょうか。 肉・魚・野菜・炭水化物、何にでも合う基の調味料の一つですが、もともとはフランス生まれ。格的なフランス料理に用いられる伝統的なソースの一つでした。 マヨネーズの起源から世界への普及までまとめていきます。 1. マヨネーズの起源とは マヨネーズの起源にはいくつか説がありますが、定説というものは存在しません。 もっとも有名なものが、七年戦争中の1756年6月28日、フランスのリシュリュー公爵が現在のスペイン・メノルカ島にある港町マヨンを陥落させた時のエピソードです。 勝利の祝宴の準備をする際、公爵のシェフはソースを作ろうとしたもののクリームが手に入らず、代用としてオリーブオイルを使いました。果たしてそれが意外に旨く

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  • 中国ワインの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中華皇帝も愛したワインのお味 あまり一般には知られていませんが、中国は世界でもトップレベルのワイン生産国であります。 数字を見ると、2017年のワイン生産量は1.8億リットルで世界7位。上位はイタリア、フランス、スペインアメリカ、オーストラリア、アルゼンチンなど有名どころが並びます。中国はチリ、ドイツ、ポルトガルといった伝統的なワイン生産国よりも生産高が多いのです。 中国では1980年代から、増加する中国人のワイン需要に対応するため、中央と地方政府の指導と支援が積極的に行われています。数字は巨大ですが主に国内で消費されるため、海外輸出は少なく、あまり目立たない存在です。 歴史をさかのぼると、中国のワイン生産は歴史的にも古いものがあります。 1. 西域のお酒「葡萄酒」 中国では古くから現在の我々が言う所の「ワイン」に類する酒があることが知られていました。しかし一般に広く知られていたというこ

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  • 18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(後編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    19世紀に入って変わるクルチザンの形 ヨーロッパの高級娼婦の後編です。 前半ではルイ15世の愛妾を中心に、フランス革命前の「古き良き」宮廷に侍ったクルチザン(高級娼婦)たちをリストアップしました。前編はこちらよりどうぞ。 フランス革命が勃発後、急速に現代的な価値観が世の中に浸透していく中で、どのようにクルチザンの形が変わっていったのかを見ていきたいと思います。 7. ドロシー・ジョーダン 1761–1816(イギリス) 国王ウィリアム4世即位前の愛妾 ドロシー・ジョーダンは愛称をドーラとも言い、アイルランド人の父とウェールズ人の母との間に生まれたごく普通の庶民の出です。 幼いころから機転が利いて愛想がよく、なにより大変美しかったドロシーは、1777年に16歳で舞台デビューを果たして主に喜劇の「おてんば娘」の役で活躍しました。当時の舞台女優は愛妾も兼ねていたこともあり、様々な男たちがドロシー

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  • 18〜19世紀のヨーロッパ高級娼婦のゴシップ伝説(前編) - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    贅沢な暮らしと絶対的な権力を得た女たち フランス語では「クルチザン(Courtesan)」と言うのですが、昔の宮廷や貴族の社会には上流階級の男性の「お遊び」の相手をする女性がいました。お酒や事の相手をしたり、会話やデートをしたり、夜の相手をしたりします。日語では「高級娼婦」などと呼びます。 必ずしも出自が高い人物とは限らず貧しい生まれの女性もいて、豪華で贅沢な生活や権力の座を夢見て美貌と才覚でのし上がり、王族や貴族の愛人の座を射止めるケースもありました。 また当時の高級娼婦は一流の文化人・芸能人でもありました。今でいうところの、歌手・ダンサー・モデル・女優・アイドル・文筆家・インフルエンサーのような存在であったわけです。現在でも単に美人なだけでは芸能界で生き残れませんが、当時はもっと熾烈な女同士の戦いがありました。 18世紀~19世紀の代表的な高級娼婦の逸話を紹介していきます。今回は1

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