ビディッチのペナルティーエリアでのハンドは衝撃だった。味方も敵もサポーターも、そして「訳が分からなかった」と話す本人もびっくり。初戦のクズマノビッチに引き続き、今度は守備の要であるビディッチが同じ過ちを犯したことで、セルビアだけが南アフリカでバレーボールのワールドカップ(W杯)に参加していたことが判明したのである。これはもう、お笑いの世界だ。 それでも「結果良ければすべて良し」。セルビアはヨバノビッチのゴールを守り切り、ドイツに1−0で勝利。それは、48年ぶりの白星だった。GKのストイコビッチがポドルスキのPKを阻んだことで、一連の事件はセルビアが良質のドラマを作り上げるための最高のスパイスとなった。 試合後にビディッチは語った。 「ストイケ(ストイコビッチの愛称)がPKを見事に止めてくれたね。本当に素晴らしい活躍を見せてくれたと思う。だから、彼に言ったんだ。『何か欲しい物があれば、