「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」がまとめあげた、2012年7月23日の最終報告からは、何が欠落していたのか? 3.11から七年、歴史社会学者・小熊英二、NPO法人とみおか子ども未来ネットワーク理事長・市村高志、福島の現状に精通するジャーナリスト・木野龍逸、『ルポ 母子避難』の著者・吉田千亜の四人がタッグを組み、もっとも困難な調査に乗り出した。あの日、あの場所で、本当は何が起きていたのか? 現代史の巨大な空白を埋める、貴重な証言集。連載スタート。 * * * * * 浪江(なみえ)町のホームセンター、マイプラザにて勤務中に被災。その後、浪江町の実家、川俣町の小学校(避難所)、宮城県の親戚宅を経て、埼玉県朝(あさ)霞(か)市で現在も避難生活を送る。 インタビュー/構成 吉田千亜 三月一一日 あの日のあの時間は、職場のレジに立っていました。「揺れがいつもと