1945年以前の日本は暗黒の中世だったという価値観が染みついているが、まずペリーの黒船のところから歴史観がゆがんでいる。ペリーはこの時の航海記を書いているわけだが、その中で何度も、というか100回くらい、日本は教養レベルが高いと繰り返し綴っている。ペリー本人の著作で、日本人の教養豊かな様子がみずみずしく活写されているのに、なぜか日本という遅れた国が、先進国になめられていたというイメージで捉えられている。この問題に関してはペリーの本を読むのがもっとも手っ取り早い。 日本は元々そんなに軍国主義というわけではない。明治から富国強兵とか言っていたけれども、軍国主義に傾斜したのは、1905年に日露戦争に勝った時に、辛勝であることが理解されなかったからであり、新聞が戦意高揚で部数を伸ばすことを学んだからである。賠償金を取り損ねたと政府批判を繰り返し、大衆を煽ったわけである。皮肉にも、政府の御用新聞とも