5日午前9時頃、沖縄県名護市幸喜の海水浴場で、ダイビングの指導をしていた同市宮里の男性(58)が「痛い、オコゼに刺された」と叫び、浜辺に上がろうする途中で倒れた。仲間が左足の裏に複数の刺し傷があるのを確認し、毒素をもみ出す応急措置をしたが、男性は心肺停止に陥り、約1時間半後に搬送先の病院で死亡が確認された。名護署はオコゼのトゲが刺さり、毒素でショック死したとみて調べている。 同署などによると、男性はベテランダイバーで、波打ち際から5メートル沖の浅瀬にはだしで入り、客に指導中だった。 沖縄県衛生環境研究所によると、沖縄本島沿岸に生息する毒を持つオコゼは、オニダルマオコゼが代表的。石や岩に擬態して潜み、背びれのトゲから出す毒の強さはハブの30倍以上とされる。沖縄では人が気付かずに踏みつけて負傷する事例はよくあるが、死亡した記録は1件(1983年)しかない。