六月十一日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。試合の行方もさることながら、気になるのは経済効果だ。大規模イベントがあると、テレビなどの家電需要や観戦旅行などで消費を押し上げる。こうした直接的な投資が、流通や雇用に波及するほか、部品類の生産など幅広く誘発、何倍もの経済効果を期待できる。 電通などの調査(当時)によると、W杯の経済波及効果は、二〇〇二年日韓共催大会が約三兆三千億円。開催国だったため、国内十スタジアムの新設、改修などの建設投資が大きかった。消費と建設投資は計一兆四千百八十八億円で、これが波及し、二・三三倍の経済効果を生むとした。 〇六年独大会は、建設投資がないぶん目減りしたが、当時は薄型テレビやDVD録画機などの需要が期待できた。デジタル家電の購入費を軸に消費押し上げを二千二百四十一億円と推計、これが最終的に約二・一倍の四千七百五十九億円の経済効果とはじいた