(前回から読む) 竹森 日本の政治について、『経済危機は9つの顔を持つ』の対談では、コロンビア大学のジェラルド・カーティスさんが非常にいいことを言っていました。彼は、「私はマニフェストには反対です」というのです。誰かが思いつきで言ったことを一度マニフェストに書き込めば、後々まで政策の足を縛ることになるからということです。政策への拘束を避けるためには、むしろ漠然としたものでも良いから哲学を書くべきだと言っています。 例えば、今の日本は、米国並みの社会保障費で欧州並みの社会保障の実現を希望しているけれども、それは明らかに無理です。ではどうするのか。長期的には欧州型の社会保障費と社会保障のモデルを志向するといった、そういうことをマニフェストに書けばよい。そうなると消費税はどうなるの、といった具体的な質問が出てくるでしょうが、それについては景気の悪いときには消費税は上げないと、原則だけを言えばいい
