年賀状がない正月はどこかしら物足りなかった。書くのは年々辛くなってきたが、仕事の話ではない文面やほほえましい写真などには安らぐ心地がする。ある年、正月早々に出かけることがあって、暮れのうちに郵便局から届けてもらった時に、読んで不思議と興が醒めたのは、やはりまさにその瞬間のものだからなのだろう。 年末の前回に記した「」に共通するものとして、「様」という漢字の末画である右はらいにも、「〃」のような線が貫くことがある。これも、若年女性に顕著であるが、「」よりも若干年齢層が高いようにも思える。「」と同様に字面を飾ろうとする着想によるものであろう。この「様」に付される「〃」の部分も、装飾以上に明確な意味を込めたサインとして、「ハートマーク」で代行されることがある。 年賀状でも、宛名の印刷ソフトが普及し、個性の滲み出る手書きは少数派になってきた。我が家も、去年だったか、暮れの仕事の増加に追われてついに