歌舞伎町にて。マーベルヒーローが大集合するお祭り映画として、ちょっと考えられないほどのクオリティに達したゴージャスな一本でした。たのしかった! 各キャラクター作品のエンドクレジット後、ニック・フューリーがスカウトしにくるおなじみのくだりを何年もかけて見せていくことで、観客は「どんな映画になるだろう」と期待がどんどんふくらんでいったわけですが、その過大な期待へパーフェクトに応えた点が感動的です。むろん作りは緻密ですが、エンターテインメント作品のため、あまり分析的になってもしかたがないので、個人的に感じたことをいくつか書きます。 何より、画面全体を覆いつくす想像力の跋扈に圧倒される。カッコよくて、怖くて、近寄りがたく、奇妙なフォルムをした、わけのわからない異形の者たち(実際に劇中、彼らは “freaks” <奇形>と呼ばれもする)。彼らスーパーヒーローが画面をかけまわるたびに、観客は「いま、と
何の間違いかあろうことにこのオレが【シェイクスピア四大悲劇】と呼ばれる四作品、『リア王』『マクベス』『ハムレット』『オセロー』を集中的に読んでしまいました。最初はどこかの書評で「『リア王』はとりあえず読んどくべし」と書かれていたのを見て、「まあ教養の一環として読んどくべか」と思い購入、そして読み進めてみるとこれが想像以上に面白い、想像以上どころかとんでもなく面白い、「こりゃついでに【シェイクスピア四大悲劇】というやつを全部読んでしまおう!」とばかりに四作一気呵成に読了してしまったんですな。オレはこういった古典文学を読むクチでは全然ないんですが、世界に名だたる文豪であるシェイクピア作品をこうしてまとめて読んだのはいい体験でした。まあ、全部本が薄いから読むの簡単だしね!というわけで、英国文学にも古典文学にも何の知識も無いオレですが、恥さらしではありますけれどもざっと感想などを書いて見たいと思い
ファントム・フィルムさんのご招待で「I'M FLASH!」試写へ。“新興宗教教祖の暗殺”、“トラブルの逃亡先、沖縄でのモラトリアムな時間”と来れば、「ときめきに死す」や「ソナチネ」を想起していた。しかし監督ならではのミュージシャン系人脈の多用と、藤原竜也生来の芝居がかった教祖っぽさのリアリティによって、単なるハイブリッド的な映画ではない、豊田利晃監督らしい禍々しくも挑発的な作品となっており安心した。鮎川誠の同名タイトル曲にインスパイアされた物語とのことで、「チンピラ」が鮎川の曲のトッピングで息を吹き返したように、先述の想起される作品の痕跡を音楽の荒々しさが上書きし、前作の静謐や内向とも違う、新たなイメージを提供している。金子正次と言えば松田優作だが、こっちは松田龍平に意識的な抜けた演技をさせていて、汗ばんで飲み食いする様は、親父の「あばよダチ公」なんかを想起させて微笑ましい。ちなみに俺は瑛
アンチエイジングは今や女性最大の関心事……万有引力という物理法則にさえ挑戦する皮膚のたるみと戦いは、今やNASAの科学力をも利用した宇宙規模のプロジェクトへと進展している。しかし、アンチエイジング系化粧品はおしなべて一万超えという、庶民には近寄りがたい価格帯で展開されており、フルラインで購入し続けた場合年間の出費は数十万をくだらない……。女性の平均月手取り収入は17万*1であることを考えれば、憧れの無重力フェイスを手にすることができるのはごく僅かな富裕層だけ。価格帯別にライン分けされた化粧品カタログは、まるで日本が事実上の階級社会であることを暗示しているかのよう。 一方、そんな資本主義の厳しさに疲れ果て、ナチュラルな生き方を模索しようとロハス系雑誌をめくると、異様に高価な自然派化粧品が並び、自然には逆らえても資本主義には逆らえないという現実に直面することに…。プチブル女性たちが農作業にいそ
プリティ・プリンセス [Blu-ray] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日: 2012/07/04メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見るプリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング [Blu-ray] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日: 2012/07/18メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (3件) を見る 『パッセンジャーズ』ぐらいしかアンハサ主演作を観たことがなかったので、Huluでチェックしてみました。 サンフランシスコの女子高生ミアは、母と二人暮らし。ほんとは個性的だけど、学校では地味でさえない女の子。だが、そんな彼女の元にヨーロッパのジェノビア王国からの使いが……実はミアの死んだ父は王位継承権を持つプリンスで、ミアはその血を受け継ぐプリンセスだったのだ! 祖母である女王様がサ
過去が襲ってくるという感覚を、知っているか。 昔の失敗や、封印していたトラウマが、いきなり、何の前触れもなく、気がついたら頭いっぱいを占めている、あの感覚だ。あッという間も、逃れようもなく組み敷かれ、後悔の念とともに呆然と眺めているしかできない。 きっかけは、ちっぽけだ。些細な出来事だったり、たあいのない会話の言葉尻だったり。だが、ひとたびトラウマが鎌首をもたげると、蛙のごとく動けない。そして自分は、「あのときは、どうしようもなかった。ああするしかなかった」と、ひたすら、言い訳をする(己が壊れないためにね)。 これを二十年間やった男の話。だが安心するがいい、これは読者の過去やトラウマに絶対ひっかからない、徴兵忌避した男の話だから。戦争中、全国を転々と逃げ回った過去が、二十年後のしがないリーマン生活に、フラッシュバックのように差し込まれてくる。 この差し込まれ具合がスゴい。戦中と戦後の跳躍が
Mr.NOBODY(1) (リュウコミックス) ■【オススメ】醒めない悪夢。自分は、誰だ。 モスクワについた主人公はタクシーの運転手に訝しまれながら 向かった先のモーテルには先客がいた。「あんたも・・・ミスターノーホディに 呼ばれて来たんだろう?」「あなた専門は?」調子をあわせるが、 彼にはさっぱり、わからない。女性には「昔・・・どこかで会った?」 などと言われるが、彼の頭は、昨日の出来事を反芻していた。 昨日は、彼女の父親に会い、結婚の承諾を得てもらったところだった。 興信所勤めの彼は、その帰り、所長から即金で一千万円を支払ってくれる 新規の依頼があるという留守電のメッセージを聞く。その後直接連絡が入ったが、 そこで語られることは、彼の記憶に関する話だった。高校時代の、しかし 誰とも共有できない記憶について、なぜ他人が知っているのか− そう思う彼に、電話の向こうで依頼者はこう囁いた。 「
EX-VITA 1 (ヤングジャンプコミックス) ■【オススメ】近未来舞台のポリスアクション、 人情派の異端な婦人警官とコンビを組むのはアンドロイド。 「逮捕しちゃうぞ 」的な女子ふたりの婦警コンビもので、師匠が桂正和、ということから想像するものに違わぬ中身。舞台は近未来、なので主人公は空からバイクで降ってくる。型破りだが人情派でもあり、警官らしくない人物。そんな彼女のパートナーは、かっちりきっちりしたタイプで成績も優秀な、アンドロイドだった。 アンドロイドが普通にいる時代、その優秀さになぜ主人公とコンビなのだ、と思う人もいるのだが、その理由は確かにある。主人公がパートナーを、アンドロイドとしてではなく、人間のように扱い、見ていることにあり、それゆえ理屈や論理ではない信頼関係で結ばれているから。 アクションがあってちょいセクシー、アンドロイドなので多少の無茶もできる一方、主人公は生身の人間
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