「乱れからくり」「蔭桔梗」などの著作で知られる直木賞作家の泡坂妻夫(あわさか・つまお、本名・厚川昌男=あつかわ・まさお)さんが3日午後、東京都内の病院で死去した。75歳だった。葬儀の日取りは未定。喪主は妻、燿子(ようこ)さん。 泡坂さんは東京生まれ。会社勤務を経て家業の紋章上絵師を継ぎ、そのかたわら、昭和51年に「DL2号機事件」で推理作家としてデビュー。趣味の奇術を取り入れたトリッキーなミステリー小説などで支持を集めた。53年「乱れからくり」で日本推理作家協会賞、平成2年「蔭桔梗」で直木賞受賞。ペンネームは本名を並べ替えたアナグラム。奇術に関する著書も多数ある。