◇与良正男(よら・まさお=毎日新聞論説副委員長) 野田改造内閣がスタートした。言うまでもなく今回の改造の最大、いや唯一の目玉は副総理兼一体改革・行政改革担当相として、前幹事長の岡田克也氏が入閣したことだ。意味するところは消費税増税シフト。岡田氏と二人三脚で税と社会保障の一体改革を進めるという野田佳彦首相の意図は明確である。 岡田氏は筋金入りの財政再建論者だ。党代表として臨んだ2005年の衆院選では、基礎年金の財源を税金で賄うため年金目的消費税を創設する増税方針もマニフェスト(政権公約)に掲げている(かつては財源をきちんと担保しようとする政党だったのだ!)。 ◇輿石幹事長が説得役に 岡田氏は「原理主義者」で融通がきかないとも言われてきた。だが、菅内閣のもとでの幹事長時代には野党との協議に柔軟に対応し、人脈も築いた。加えて野田内閣には「重し」がなかったのも大きな弱点だった。首相が期待しているの