『満天の星空観覧ツアー』『最後の清流で遊覧船』『魚市とれたて絶品飯』。旅行好きであれば少なからず心が騒ぐ事でしょう。ちょっと贅沢をしたい時、これくらいのご褒美なら良いよね、というお手頃感にも背中を押され旅に踏み出す折もあるでしょう。非日常のイベントが、日頃のストレスを帳消しにしてくれる気さえします。 とはいえ、夜空を埋め尽くす星屑や、水底まで透き通る川面や、踊り出しそうな鮮魚がイベントの「呼びもの」になったのはいつくらいからなのでしょうか。 田舎暮らしの父は、子供の頃、夏の夜など蚊帳を吊った寝床に迷い入りそうになる蛍を団扇で追い払って眠ったそうです。幼かった母の実家の近所には清流しかありませんでした。晩のおかずに、生産者や漁獲者や収穫者の顔が見えない物はそもそもお目見えしませんでした。 今の便利な世と、かつての不便な世と一長一短を競っても仕方の無い事です。 ただ「当たり前」だったことが「非