◆ 高坂正堯没後10年「遺された『責任ある国家』という課題」(中央公論新社刊『中央公論』2006年12月)◆ 座談会:五百旗頭真(防衛大学校校長)×前原誠司(衆議院議員)×細谷雄一(慶應義塾大学助教授) イラク戦争、北朝鮮問題・・・日本が国際的な危機への対応を問われる機会は増すばかりだ。危機のたびに聞かれるのは、「高坂先生ならどう考えただろうか」という声。没後10年を経ながら、ますますその意義を深める。 高坂正堯氏の思想を通して、氏にゆかりの深い論者たちが日本外交の行方を読み解く。 新風を呼んだ論壇デビューから湾岸戦争での怒りまで 細谷:1996年に高坂正堯先生が亡くなり、今年で10年が経ちました。 私は高坂先生と個人的な接点はありません。それでも国際政治学者として、さまざまなメディアを通じて多大な影響を受けました。それどころか、本でしか高坂先生を知らないはずの私のゼミ生の中にも、