ChatGPTが巻き起こしたAI旋風の中で、突如スポットライトが当たった人物がいる。10年にわたり自然言語処理(NLP)の研究を続けてきた楊植麟(Yang Zhilin)氏だ。 「AI分野の天才少年」と呼ばれている楊氏は、中国の名門・清華大学を卒業して、米カーネギーメロン大学博士課程在学中の2019年に筆頭著者として深層学習モデル「Transformer-XL」および「XLNet」に関する2本の論文を発表し、大規模言語モデルの技術がブレークスルーを果たすうえで重要な役割を担った。 楊氏はカーネギーメロン大在学中、過去に米アップルでAIディレクターを務めた Ruslan Salakhutdinov教授に師事。グーグル研究部門Google ResearchのAI開発チーム「Google Brain」やフェイスブック(現Meta)のAI研究組織「Facebook AI Research(FAIR