福島原発事故後、韓国が福島など8県産の水産物の輸入を禁止してきた問題を最終審議したWTO(世界貿易機構)上訴委員会は韓国の輸入禁止の継続は「不当差別」とした昨年2月の1審(紛争解決機構のパネル)での判定を破棄してしまった。 韓国が2013年9月から輸入を禁じているのは福島・茨城・群馬・宮城・岩手・栃木・千葉・青森で水揚げ・加工された28魚種の水産物。韓国の他にも日本からの水産物を規制している国は中国を含めまだ23か国もあるが、日本は2015年に韓国だけを提訴した。他の国々が段階的に制裁を緩和している中、韓国のみが制裁を強化していることへの反発と、日本と海を面している韓国に勝訴すれば、ドミノ的に他の国々の輸入禁止、規制の壁を崩すことができるからだ。 昨年2月の1審では日本の主張が認められて韓国の継続的な輸入禁止措置は「WTO協定に違反する」として日本が勝訴していた。それだけに判定が覆ったこと