30歳になった年の8月か9月に会社を辞めたんですね。校正者だったんですが、大人向けのミステリーだった「三毛猫ホームズ」第1作がでてから急に原稿依頼が多くなって。退職して最初に書いたのが「セーラー服と機関銃」。この方向でやっていくんだという覚悟ができた作品です。 当時、高校生を主人公にした小説はあまりなかったんですよ。大人も学生も読めるミステリー、特に女の子が読んで気持ち悪い感じがしないものって書くのが僕くらいだったんですね。 僕はずっと男子校で、初恋も高校を出てサラリーマンになってから経験したぐらい。主人公の星泉は頭の中で作った10代の女の子なんです。僕は古い仏文学とか独文学で成長してきました。僕のキャラクターも、元は海外文学に登場するような女の子たちがモデルなんです。それを明るく活動的に書こうとしました。 僕はちょうど学園紛争の世代。大学にいかなかったので関わりませんでしたが、高校で一緒