有田焼の主要業者の売上高が、8月に20年ぶりに2けたの伸び率になったことが、財務省佐賀財務事務所の調べで分かった。ただし、大口受注の「特需」による一時的な回復と見られ、景気低迷による買い替え需要の減少や消費者ニーズの多様化、価格競争といった業界を取り巻く環境は依然として厳しい。 窯元や商社など約320社が参加する共販組合と、直販大手2社の売り上げを佐賀財務事務所がまとめた。合計の売上高は、今年1月まで24カ月連続で前年同月を下回っていたが、2月に増加に転じた。その後は再び減少したが、7月は1.3%増、8月は18.9%増となった。2けた増は1990年8月以来、2カ月連続増は2006年5〜6月以来という。 しかし、この夏場の売り上げ増はブライダル業者や宿泊業者など数社の買い替えによる大口の受注で、財務事務所は「9月までは一定の効果が見込めるが、継続していくとは見ていない」とした。今年に入り