「渡邉選手がずっとついてくるんです。どこに行っても」 6月27日、対京都戦の試合後に語った槙野智章の言葉である。センターバックの槙野に対し、京都のアタッカー・渡邉大剛が後半開始早々からずっとマンマークについていたことに対するコメントだ。 実際、京都・加藤久監督は渡邉に対し、「槙野が左右に逃げても、追いかけていけ」と指示を出していた。25分、ストヤノフのスルーパスに飛び出した槙野がペナルティーエリア内で完全にフリーになったシーンを見ても、あるいはその前節・神戸戦での豪快なゴールを考えても、彼の脅威は明白。加藤監督は「槙野を抑えることが広島の攻撃力を半減させるための条件」と考え、渡邉の攻撃力をある程度犠牲にしてもマンマークが必要と考えたのである。 「こんなことは経験がなかった。ちょっと、びっくりした」と槙野は言う。確かに、渡邉が与えられたタスクを忠実にこなしたことで、後半の槙野はチャンス