現下の台湾での学生による立法院占拠についてはなかなかブログに書きづらい。ごく簡単に言えば、心情的には私は学生を支持したいが、国際政治・経済的な観点あるいは日本の国益との関連から見れば、この運動は、かつての韓国の米国牛肉輸入反対運動や日本の反TPP運動のように反動的なナショナリスティックな運動にも見え、支持しがたい面もあるからだ。 ではどうなのか。近景としては学生に注意深く平和裏に運動を進めてほしいし、巨視的には台湾の難しい状況――中国に経済的に飲み込まれること――に同情するしかない。中国経済に飲み込まれず台湾が存立していけるかは、難題に思えるし、日本もまた同様の立場にある。 さらに巨視的に見るなら、中国経済が開かれていくことは現在の近景とは逆に、中国の台湾化につながる。そしてそれは中国社会の不安定化と軍事強化の矛盾を強くするだろうし、その余波を日本が強く受けることになるだろう。日本は、静か