南米アルゼンチンの小さな集落で年に一度、1万5千人以上が集まる大規模な盆踊りが開かれている。日本人移住者が始めた祭りだったが、日本的な雰囲気が人気を集め、地域の一大イベントに成長した。日系人が多い南米でも最大規模の盆踊りだ。 私ゃ真室川の梅の花コーリャ――。山形県の民謡・真室川音頭のリズムに合わせ、踊りの輪が幾重にもやぐらを囲む。頭上には色とりどりのちょうちんの明かり。おなじみの盆踊りの光景だが、踊っているのは、スペイン系やイタリア系中心のアルゼンチンの人たちだ。 農業地帯のラプラタ市近郊にある集落ウルキッサで、16回目となる今年の盆踊りは、南半球が夏本番を迎えた1月10日に開かれた。首都ブエノスアイレスから車で約1時間の会場には、過去最多の1万6500人が集まった。 手作りの浴衣を着て友人と初めて訪れたメリサ・ベラさん(29)は「最高! 日本のアニメで見た夏祭りの場面と同じ」と興奮した様