押井守氏の新刊新書。コミュニケーション能力が盛んに叫ばれる現代でなかなか挑戦的なタイトルだ。 しかし別にコミュニケーションが本当に要らない、という話ではない。じゃあどういう意味なのか……どういう話なのかいまいちわかりづらい本だ。行き当たりばったりに思いついていることを書いているだけにも見える。アニメのことを語ったかと思えば原発を語り、戦争を語ったかと思えば大江健三郎と山田正紀だったら虚構の世界において山田正紀の方がすごい仕事をしたという。 ただ一貫して強い問題意識が伝わってくる。それが震災以降に問題として大噴出した(しかしそれまでもずっと続いていた)コミュニケーション不全の問題だ。押井守氏はコミュニケーションについて論じる前に、コミュニケーションの二つの側面に注目してある程度定義を行なっている。 ひとつは「現状を維持するためのコミュニケーション」で、もうひとつは「異質なものとつきあうための
![コミュニケーションは、要らない - 基本読書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/eba612558dc857384b3fcc3f7950723da7b8fa95/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F419IobwkSrL.jpg)