cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
吉本隆明『共同幻想論』評、第二回は本書が描かれた社会状況に迫ります。『資本論』のマルクスを牽制しつつ、フロイトやヘーゲルの方法論で本書を描いた吉本隆明。学生運動華やかなりしころ、それらの学生に熱烈に読まれたかというと、彼らが意識していたのはちょっと違ったようです。 改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫) 方法論の原点のひとつはフロイトの『トーテムとタブー』 人類とは何かという根源的な問題を考察する上で、無意識の内的了解の進化過程に視点を置く方法論として吉本の『共同幻想論』は、進化心理学よりは、ジークムント・フロイトの『トーテムとタブー』に酷似している。むしろ、『共同幻想論』は『トーテムとタブー』の反論として書かれているとも言える。そもそも「トーテム」は「禁制」であり、ゆえに『共同幻想論』もこの「禁制論」から始まる。 だがフロイトによる方法論の帰結は、フロイト精神分析の性意識の発達段階説
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