イギリスの劇作家バリーは1904年に、ピーターパンという空想劇を書きあげます。この物語は、1911年に作者自身によって小説化されてもいる。 この物語は今も日本の子供たちに大人気で、大正四(一九一五)年にはすでに翻訳されている。その名も「万年太郎」です。 どう見てもピーターパンじゃないんだけど、こいつはピーターパンで、なんで万年太郎なのかというと、翻訳した奴が適当に名前を付けたからです。 そんなことが許されるのかッ、当時の日本ではバリバリ許されていたのである。 ピーターパンはとても繊細な感覚というか純粋な感覚というか、とにかく物語全体が細やかな感覚で満されているんだけども、万年太郎からはそんなものは排除されている。 まず名前がとにかく雑で、ピーターパンの宿敵のフック船長はというと片手五郎で、片手五郎のテーマソングはこういう感じ。 もちろんフックの仲間たちも雑で荒い名前である。 ウェンディーは
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