このところ朝の時間の構成を変えているせいか、あまり夢を思い出さなくなり、今朝もそんな感じだったのだが、ふと車窓を見て思い出した。ごく断片的だったが、青春の私が泣いていた。恋愛に関連したことだったように思う。ディテールはよく思い出せないし、記憶とダイレクトに結びついているわけでもなかった。直接的な失恋というのでもなく、ただ、自分の思いが伝わらない孤独と惨めさみたいなものに呆然として、そして号泣しているのだった。 50歳にもなってこんな感情を胸に秘めていたのかと自分を呆れたし、情けなくなくも思ったが、じっと心を見つめてみればその感情はいつもある。たぶん、根幹は幼児期にあって母に愛されない、そして異性にも愛情という点で信頼されない。友だちもいない。いつも死に至る細くかっちりとしたプラスチックのような崖っぷちの先に立っていて、さてこれで人生終わりか、なんてつまんない人生なんだろ、死ぬのもなぁと思っ