多くの日本人にとって今やコーヒーは日々に欠かせない飲料だろう。国際コーヒー機関の調べによると、国別1人当たりのコーヒー消費量(輸入国)では、日本は年間約3・5キロと世界第4位につけている。が、そんな日本人が大好きなコーヒーをめぐる「悲劇」が遠く中南米で起こっていることを知っているだろうか。 最大の理由はコーヒー豆の価格が低迷し続けていること。レギュラーコーヒーに使われるアラビカ種の価格が決まるニューヨークの先物市場の相場は、足元では1ポンド(453グラム)当たり1ドルを割り込んでおり、5年前のほぼ半値状態にある。その打撃を受けているのが中南米の零細コーヒー豆生産農家なのである。 生産者に入るのは1杯0・02ドル 現在の相場価格を大きく左右するのは、世界の生産量の37%を占めるブラジル。同国の20世紀末の生産量は1ヘクタール当たり8袋(1袋60キロ)だったが、現在はこれが30袋までに拡大。年