ここは新宿のある酒場。2階にある秘密の小部屋が彼らの部室だ。引き戸を少し開けば侃々諤々(かんかんがくがく)、テンションも音量も上がり気味のトークが溢れ出してくる。 「けんかなら、ドラえもんぬきでやろう」 「信じられないかもしれないけど。ぼく、のび太です」 「きっときっと、きみをしあわせにしてみせるからね!!」 "彼ら"とは――。TS 男子少年マンガ部である。メンバーは20代、30代、40代のT&S編集部員3人。2015年6月、突如編集部内に「少女マンガを読む」ために新設された男だけの部活。だが、事情によっては少年マンガも読むのである。今回はauのブックパスで配信される『ドラえもん』の名作・感動エピソードを語り倒す。しかし、幼い日、夢中になったあの物語を、あの頃と同じ読み方をすることはできない。男たちは今や日本経済の端っこの隅っこを担い、家族や年金制度を背負って、社会に生きているのだから!